試合レポート

富山第一vs木更津総合

2013.08.19

富山第一 投打が充実し、初出場ベスト8!

 本気で富山県に歴史に名を残そうとしているチームの戦いぶりであった。初出場の富山第一上田西西脇工を破って勢いに乗っている木更津総合と対戦した。

 先発の宮本 幸治(3年)がいきなり1番の東 龍弥(3年)に左二塁打を浴びる。だがこれを救ったプレーがあった。捕手の高森 啓之(3年)がリードが大きい東を見逃さず、タッチアウト。ピンチを救ったプレーであった。そして3回裏には一死満塁のピンチを迎えていた。ここで宮本がギアを入れる。3番猿田に対し、145キロを連発。追い込んでから決め球である縦スライダーで空振り三振。4番谷田 涼(3年)を三ゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けた。初戦の秋田商戦では実に繊細で、筋のよい投手という印象を受けたが、ここ一番で145キロ級の速球を連発出来る能力があるのは予想以上であった。なかなか抜け目がない投手である。

 

 0対0のまま迎えた6回表、富山第一は1番平田 真澄(3年)が左前安打、2番西田 悠貴(3年)にヒットエンドランを敢行。西田は左前安打を放ち、無死一、三塁のチャンス。3番黒田 奨貴(3年)が三振に倒れたが、4番幸山 一大(3年)が左犠飛を放ち、1点を返す。さらに5番中村 順風(3年)が右前安打を放ち、二死二、三塁。6番藤井 信太郎(3年)の右前安打で1点を追加し、7番高森にも適時打を放ち、3点を先制。ここで木更津総合は力投を続けていた笈川 翔太(3年)を降板させた。

 9回表にも一死一、三塁から3番黒田の左前適時打で1点、4番幸山の左超え二塁打で1点を追加し、5対0。一死一、三塁から5番中村のスクイズに投手が大暴投でこれで2点を追加。二死三塁となって7番高森の三塁内野安打で1点を追加し、8対0とした。止まらない集中打。エンドランを絡め、常に得点圏にランナーを置き、木更津総合投手陣を攻略した。しっかりと逆方向に打てる選手がいて、4番幸山のように長打力があり、勝負強さを持った選手がいる。なかなか手強い打線である。木更津総合は初回の走塁死が響いているのか、これまで2戦に比べて重苦しい足取りでプレーしている。多少のミスを跳ね返すぐらいの活気さがない。やはり初回の試合の入り方がこのような形で響く。良い教訓になったと思う。打ち崩しにくい相手には慎重に攻めることが大切だ。

 宮本は9回になっても140キロ台の直球、120キロ台の縦スライダーは衰えず、木更津総合打線を被安打3、10奪三振のシャットアウト。見事2試合連続完封で、初出場べスト8。富山県だと1973年の富山商以来のベスト8となった。富山県に歴史を残す戦いぶりである。彼らは初出場ながら動じずに堂々とプレー出来ている点が非常に良い。勢いとともに地に足がついたプレーができているのが富山第一の選手たちの特徴である。これからも富山第一の快進撃が見逃せない。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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