試合レポート

作新学院vs熊本工

2013.08.16

作新学院 3年間夏10勝まであと1勝

 これで10勝へ王手をかけた。この数字はなんの数字かご存知だろうか。実は作新学院・小針監督の夏10勝目なのである。江川卓など名選手を輩出した作新学院。2004年に選抜長らく甲子園から遠ざかっていたが、2006年秋に小針監督が就任。そこからメキメキと力をつけて、2009年夏に甲子園に出場してから計4回出場。2011年夏はべスト4、2012年夏はべスト8。計7勝をあげた。そして1回戦の桜井に17対5で勝利。そして伝統校・熊本工に対しても堂々とした戦いを見せてくれた。

 作新学院は先手必勝で先攻。先攻めで試合の主導権を握ることを自分たちの戦い方のスタイルだと確立しているのだろう。

 作新学院はいきなり先制する。4番山下 勇斗(3年)が先制2ランを放つ。高めに入ったストレートを押し込んで左中間スタンドへ運んだ。今まで彼を見てきてこれほど豪快なホームランは見たことがなかった。作新学院の各打者はフォロスルーまでしっかりと振り切れる選手が多い。山下も作新学院のスタイルによって少しずつ強く振れる選手になってきている。さらに6回表には6番川上 修吾(2年)が二死一、二塁から右前適時打を放ち、1点を追加。さらに8回表、一死三塁から小林 勇介(3年)が外角低めの変化球をとらえ、あっという間にレフトオーバーの二塁打を放ち、1点を追加。4対0。作新学院で最も振れている男が小林である。ドラフト候補に挙がる外野手と比べるとスイング、打球の速さは負けていない。本当に良い選手である。

 投げてはエースの渡辺 雄麻(3年)が6回表に先頭打者に四球を出したところで、投手交代。2番手に朝山 広憲(1年)を投入。朝山は135キロ前後の直球、スライダーを投げ分ける投球。勢いで押していきながら、コーナーへなげ分けることも忘れない投球で、4回4奪三振無失点の好投で完封リレー。4対0で3回戦進出を果たした。攻守でソツのない野球を見せる作新学院。パワフルな打撃を見せながら、守りでは安定した守備を見せて、継投のタイミングにも躊躇がない。過去の栃木にはないパワフルさと安定感が備わった好チームだ。これで3年間で9勝。2012年選抜の1勝を含めると10勝である。3年間で10勝は簡単に出来るものではない。3年連続でベスト8を狙える位置に来ているのは実に素晴らしいことである。次は日大三を破った日大山形である。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.12

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

【奈良】天理が決勝最多18得点で圧勝!13年ぶりに春の頂点に<春季大会>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?