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【福島展望】夏11連覇の聖光学院を阻むのは?今年は多くの実力校が集う!

2017.07.04

【福島展望】夏11連覇の聖光学院を阻むのは?今年は多くの実力校が集う! | 高校野球ドットコム
斎藤 郁也(聖光学院)

 7月7日から開幕する福島大会。夏11連覇がかかる聖光学院を筆頭に多くの実力校が揃っている。

今年の聖光学院は投打でバランスが取れたチーム

 まず優勝の聖光学院。今年は投打にバランスのとれたチームになっている。主戦の斎藤 郁也は直球と変化球のコンビネーションが冴える右腕。昨夏の甲子園での登板もあり、経験値が高い。制球力のある堀田 陸斗平野 サビィ前田 秀紀湯浅 京己と投手陣の層は厚く、夏を戦い抜く体制は整っている。攻撃では下級生の頃から試合に出場している小泉 徹平瀬川 航騎のいとこ二遊間コンビに注目が集まる。この春から4番を担う仁平 勇汰や2年生唯一のレギュラーである矢吹 栄希も長打力があり、打線を活性化させる。技量のみならず、今年も聖光学院らしい粘り強さがある。今春の県大会準々決勝では学法石川と対戦。9回に同点に追いつくと、延長11回に4点を奪って11対7で勝利した。歴代の選手たちが積み重ねてきた偉大な記録に挑む聖光学院は初戦で本宮と対戦する。

 聖光学院のブロックには学法石川と接戦を演じた会津がいる。先発した斎藤 勝史は140キロを超える直球とスライダーで相手打線を封じた。1対2で敗れはしたが、相手エースの尾形 崇斗から得点するなど、夏につながる戦いになったはずだ。また、このブロックには、相双地区の実力校・小高工と野球部のなかった小高商が統合し、今春、開校した小高産業技術も入っている。今春は敗者復活戦を勝ち上がり、県大会でも初戦を突破。春先は旧小高工のグラウンドに戻るにあたり、準備不足などもあったが、夏に向けて仕上げてくるだろう。今春の県大会準々決勝でいわき光洋に惜敗した須賀川桐陽もおり、気の抜けないブロックになっている。

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園部 佳太(いわき光洋)

 春の県大会で3位となった東日本国際大昌平2010年以来となる東北大会では3勝を挙げて4強入りと躍進を見せた。エース・新田 悠介と2年生の志賀 恒太の2枚看板は盤石。やわらかな打撃で柵越えもある4番・柳葉 潤を中心とした打線も攻撃力が高い。指揮を執るのは元プロ野球選手の伊藤 博康監督。初戦は同地区の磐城と対戦するが、今春いわき支部大会で5対1、県大会では5対0と完勝している。

 互いに初戦を突破すれば対戦することになる田村は、今春の県中支部大会県大会日大東北に勝利している。聖光学院には5回コールドで敗れたが、クリーンアップに力がある。二塁を守る石井 大也主将の守備力も高く、侮れないチームだ。このブロックには、今春の県大会こそ、初戦敗退となったが、昨秋4強入りしている福島商が入っている。

高校通算45本塁打の園部擁するいわき光洋が怖い存在

 2年ぶりに東北大会を戦ったいわき光洋は春の準V校。中心は県大会準決勝、決勝と2試合連続アーチを描いた主砲・園部 佳太主将。高校通算本塁打は春の県大会終了時点で45本のスラッガーだ。このブロックは実力校が集まった。春の公式戦9試合で84得点を誇る福島東。敗者復活戦を勝ち上がり、県4強入りした。攻撃力で夏も快進撃を見せたいところだ。昨夏の準優勝校・光南もこのブロック。昨年から主戦を担う左腕の石井 諒のほか、背番号4で140キロ超えの直球を放る大竹 風雅、サウスポーの小倉 瑠偉ら投手陣は駒がそろう。昨夏の決勝でも先制弾を打っている松本 京志郎を中心とした攻撃力もある。

 4強入りの福島東や実力校の学法福島を支部大会で破っている福島成蹊今春県8強入りした須賀川、2006年に光南を甲子園出場に導いた菅波 智之監督が指揮し、近年、力をつけている船引もこのブロックに入った。

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尾形 崇斗(学法石川)

福島をリードしてきた学法石川と日大東北の戦力状況は?

 福島県の高校野球界をリードしてきた学法石川日大東北は互いに勝ち進めば準々決勝で当たる。学法石川のエース・尾形 崇斗は140キロ中盤の直球が武器のプロ注目右腕。高校から本格的に投手となり、実力を上げてきた。尾形のみならず、村越 祐野大須 賀旭とマウンド経験のある投手がそろっている。攻撃も充実している。4番は1年生の藤原 涼雅聖光学院との準々決勝で2ランを放ち、2年生の高木 大介は2打席連続本塁打と圧巻の打力を見せた。3年生も下級生の頃から試合経験を積んでいる選手が多く、投打がはまれば面白い。甲子園には99年夏以来、遠ざかっており、復活にかける思いは強い。

 昨秋東北大会で8強入りした日大東北だが、今春は苦しんだ。支部大会の初戦で田村に2対3で敗れて敗者復活戦へ。県大会でも田村に1回戦で1対5で敗れた。本格派右腕の楡井 龍之介磯上 海大を中心に夏は巻き返しを期す。初戦は福島福島と対戦する。春の県大会1回戦でいわき光洋に延長10回サヨナラ負けを喫したが、2対3と競った帝京安積安達福島南の勝者と初戦。県中支部大会で優勝した福島郡山はいわき海星勿来工の勝者を迎え撃つ。

 大会には84校78チームが出場する。連合チームは「安達東・川俣」、「好間・遠野・四倉」、「会津西連合(西会津、猪苗代、坂下、湖南)」の3つ。選手宣誓は勿来工斎藤 亜斗夢主将が務める。大会は7月7日に開幕し、決勝は22日。[stadium]県営あづま球場[/stadium]をメイン会場に県内7球場で熱戦が繰り広げられる。

(文:高橋 昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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