試合レポート

東京実vs都立足立新田

2019.09.22

東京実、神谷の3ランで勝負を決め、都立足立新田を破り都大会へ

東京実vs都立足立新田 | 高校野球ドットコム
玉村隆輝(東京実)

 山下秀徳監督率いる東京実、有馬信夫監督率いる都立足立新田。実績も実力もあるベテラン監督が率いる両校の対戦は、都大会までとっておきたいような好カードだったが、内容的には、東京実が圧倒した。

 1回表東京実は、1番・原元太が右翼手の頭を超える長打。原は一気に三塁を狙うも、アウト。いきなり無死二塁のチャンスがなくなっただけに、東京実としては嫌な展開になった。

 ここから都立足立新田小泉拓也の投球にタイミングが合わず、走者を出すことすらできない。それでも東京実の先発・玉村隆輝が毎回のように走者を出しながらも粘り強い投球で得点を許さず、序盤は投手戦の様相を呈した。

 試合が一気に動いたのは5回表の東京実の攻撃だった。この回一死後、5番・越智光盛、6番・向井彰士、7番・大田颯と安打が続き、まず1点。なおも走者2人を置いて、8番・神谷翔吾がレフトポール近くの柵越えの3ランを放ち、この回4点を入れる。

 さらに6回表は、2番・関口友哉、3番・十鳥真乙、4番・佐藤翔と今度は上位が安打を3本連ねて1点を追加した。

 5点のリードをもらった玉村は、次第に球威も増して都立足立新田打線を封じる。9回裏都立足立新田は代打の長尾輝星が本塁打を放ったが、時すでに遅く、5-1で東京実都立足立新田を破り、都大会出場を決めた。

 東京実の山下監督は、エースの玉村について、「最初は力んでいましたが、投げるうちになくなってきました。粘り強く投げたと思います」と語った。初回の走塁ミスなどはあったものの、次第に内容的には良くなってきた。これまで東京実といえば、足でかき回すタイプの選手が多かったが、この代にはパワーのある選手もいる。打線も上位下位と切れ目がないだけに、都大会での健闘を期待したい。

 敗れた都立足立新田の有馬監督は、「うちのレベルはそこまでだったということです」と厳しい口調で語った。都立の強豪の早々の敗戦になったが、ベテラン・有馬監督が、どうチームの力を上げてくるか、来年の春以降の戦いが注目される。

(文=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.22

阪神・佐藤がフェンス直撃のタイムリー!昨日のHRに続き今日もバットで結果!再昇格へ連日アピール!

2024.05.22

【愛知・全三河大会】昨秋東海大会出場もノーシードの豊橋中央が決勝進出、147キロ右腕・内山など投手陣に手応え!名指導者率いる三好も期待の 1、2年生が出場

2024.05.22

【福島】学法石川と聖光学院が4強入り、準決勝で激突<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?