試合レポート

木更津総合vs千葉敬愛

2016.04.29

選抜帰りの木更津総合が見せた新たな一面

木更津総合vs千葉敬愛 | 高校野球ドットコム

先発・山下(木更津総合)

 選抜帰りの木更津総合。なかなか打線の状態が上がらない。その中でも新戦力が浮上したり、今まで出場していたけど、新たな一面を見せる選手が出てきた。

まず1回表、木更津総合は一死二塁から主将・小池航貴(3年)が右中間を破る塁打で1点を先制する。小池は1年から出ている選手だが、選手としての伸びが著しい。上手い打撃ができる選手だと思っていたが、逆方向にも鋭い打球が打てるようになり、選手として一歩ずつ伸びている。
 先発のマウンドに登ったのは1年生の時から4番に座るなど活躍を見せていた山下 輝(2年)。まだ投手として、それほど出来上がっていないのだが、素質は良い。目についたのは肩、肘の柔らかさを生かしたオーバーハンド。腕の振りを見ると、肘の使い方が柔らかい。球速は、120キロ後半~130キロ前半とまずまずのスピード。この投手、まだ体幹や腰のキレが欠いて、腰の回転と腕の振りの連動性がまだ弱い。体幹を上手く使い、腕も鋭く振れるようになると、185センチ80キロと恵まれた体躯があるだけに、135キロ~140キロもすぐに出るポテンシャルは十分に備わっている。タイプ的には球速がまだない上原健太(北海道日本ハム)といったところか。エース・早川隆久以上のエンジンを備えているのは間違いない。

 4回裏に千葉敬愛の5番石松卓己の本塁打で同点に許したが、勝ち越しにはさせない。6回表、井上のランニング本塁打。7回表には、一死満塁から1年生ながら5番に座る野尻幸輝の遊ゴロの間に1点を追加。9回表には鳥海嵐万の適時打で1点を追加すると、さらに5番野尻が右中間を破る適時二塁打で5対1と大きく点差を広げる。
 この野尻、近年の木更津総合の打者の中では久しぶりの強打者として素質を持った選手。この野尻だが、岐阜県山県市(やまがたし)高富中出身で、岐阜・関ボーイズに在籍していた。その時、鶴岡一人記念大会の代表選手として出場するなど、実績は十分の逸材だ。それぐらいの技術、実績のある選手が木更津総合を選んだのだ。期待せざるを得ない。野尻は太腿が3年生よりも太く、いかにもパワーがありそうなガッシリ体型。下半身の強さ、盤石さがとても1年生とは思えないのだ。どっしりとした構えをしていて、弧を描くようなスイング軌道から実に鋭い打球を飛ばしている。

 9回表に、右中間を破る適時二塁打を放ったが、今日、登場した木更津総合の野手の中でも最も速く、簡単に崩されない打撃、さらに勝負強さといい、まだ怖さを知らないところが良い。この物怖じしない姿勢を発揮できるか今後も注目していきたい。
 明日の準々決勝の相手は東海大市原望洋と決まった。夏前の前哨戦として、かなり重要な一戦になりそうだ。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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