
センバツ出場校・慶應義塾が野球教室を開講
第95回記念選抜高校野球大会に出場する慶應義塾(神奈川)が23日、野球教室を開き、小学1年生から6年生まで約150人の子どもたちと交流した。
3年ぶりとなった今回の野球教室は朝9時頃から開講し、およそ3時間のプログラムで進行。ベースランニングやティー打撃など6つのグループに分けて、選手たちは子どもたちの指導にあたった。
ティー打撃では安全に十分注意したうえで、子どもたちが硬式バットを握って、硬式球を打った。「重たい」などの声を上げながらも一生懸命スイングする子どもたちに、高校生も時折実演を見せるなど、高校野球のレベルの高さを見せた。
小休憩のときにみせたピッチングとフリー打撃は大いに盛り上がった。エース・松井 喜一投手(2年)がピッチングを披露。最速137キロの直球に、切れ味鋭いスライダーを投じた。フリー打撃では、下級生ながら4番を任される高校通算11本塁打の加藤 右悟外野手(1年)と高校通算10本塁打の5番・福井 直睦外野手(2年)が豪快なバッティングを見せた。子どもたちの眼差しは、次第に「先輩」への憧れに変わっていた。少年野球の指導者からも「硬式球であったり、高校野球に触れる機会があるのは、子どもたちに夢を与えることになるので、開催してくれるのは嬉しいです」という声が上がった。
慶應義塾は3月18日からセンバツが控えている。先日までテストがあり、およそ2週間ほど全体練習ができていない中で、今回の野球教室を開いた理由について、森林監督はこう説明した。
「このチームはグラウンドで野球をやるだけではなく、野球以外の取り組みを含めて一生懸命やるチームです。なので、センバツがあるから野球だけをやるのではなく、今までやってきた多角的な取り組みで、人間性を高める取り組みをあえて継続することを選手には伝えました」
日本一という目標を達成する意味でも、3年ぶりに開催した野球教室は大事な取り組みになり、さらに「(センバツまで)時間がないですが、だからこそ取り組む。これが自分たちの正しい時間の使い方だと思っていますし、そういうことを伝えたい」とも付け加えた。
ピッチングを披露した松井は「今日よりもレベルアップして、ピッチングだけではなく、総合的に凄いと思われるような投手として甲子園で活躍したい」と今回の野球教室でスイッチがさらに入ったようだった。
子どもたちからの力ももらって、18日からのセンバツで大暴れにつなげる。