またも育成躍進なるか 絶対王者ソフトバンク
砂川 リチャード(沖縄尚学高-ソフトバンク)
春季キャンプも中盤に入り紅白戦や練習試合が増えてきた。開幕までの調整が許されるベテランや主力以外の若手選手は、開幕一軍入りを目指してアピールを続けている。
とくに高卒で入った若手は5年目くらいまでには、ある程度の実績がほしいところだろう。さてそこで各球団の期待の若手とでも言うべき、高卒2年目から5年目までの選手の現在地を確認してみたい。
日本一5連覇を目指すソフトバンクは、千賀 滉大(蒲郡高→2010年育4位)や甲斐 拓也(楊志館高→2010年育6位)といった高卒選手をしっかりと鍛え上げて戦力とし、その礎を作ってきた。その他にも中村 晃(帝京高→2007年高3巡)や今宮健太(明豊高→2009年1位)らが高卒から主戦力となっている。
だが、ここ数年は高卒からの新戦力は誕生していない。昨シーズンの開幕前に尾形 崇斗(学法石川高→2017年育1位)と砂川 リチャード(沖縄尚学高→2017年育3位)が支配下登録されるも、一軍では結果を残すことができなかった。
今シーズン高卒5年目以内の選手で昨シーズンもっとも一軍で試合に出場したのは、2019年オフにソフトバンクを自由契約となりヤクルトへ移籍した長谷川 宙輝(聖徳学園高→2016年育2位)の44試合。移籍した選手がもっとも試合に出場しているのである。ソフトバンクに在籍する選手では、三森 大貴(青森山田高→2016年4位)の24試合が最多と少し寂しい。
しかし二軍では着実に実戦経験を重ねている。リチャードはチーム最多の273打席に立ち打率.229と確実性に課題は残したものの、12本塁打、47打点でウエスタン・リーグの二冠王に輝いた。野村 大樹(早稲田実業→2018年3位)も74試合に出場し打率.263、3本塁打、20打点と二軍では結果を残している。今シーズンはともに一軍昇格を目指す。
投手陣では古谷 優人(江陵高→2016年2位)が39回を投げ、防御率2.31と奮闘し一軍でも4試合に登板した。150キロ左腕として話題にもなった古谷も二軍では結果を残している。
日本一4連覇が示すとおり戦力が厚いため、なかなか高卒の若手選手には一軍での出番が回ってこないのが実情だ。しかし、その間に二軍では多くの出番が与えられ結果を残しつつある。彼らが一軍に昇格する日を楽しみに待ちたい。
古谷 優人(江陵高-ソフトバンク)
【ソフトバンクの高卒2年目から5年目の選手】
※育成指名で現在も育成契約の選手はのぞく
<高卒5年目>
古谷 優人(江陵高→2016年2位)
九鬼 隆平(秀岳館高→2016年3位)
三森 大貴(青森山田高→2016年4位)
長谷川 宙輝(聖徳学園高→2016年育2位)※現在はヤクルト
田城 飛翔(八戸学院光星高→2016年育3位)※現在はオリックス
<高卒4年目>
吉住 晴斗(鶴岡東高→2017年1位)※現在は育成契約
増田 珠(横浜高→2017年3位)
田浦 文丸(秀岳館高→2017年5位)
尾形 崇斗(学法石川高→2017年育1位)
砂川 リチャード(沖縄尚学高→2017年育3位)
<高卒3年目>
野村 大樹(早稲田実業高→2018年3位)
水谷 瞬(石見智翠館高→2018年5位)
(記事:勝田 聡)
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