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別格の活躍見せた小園!ファームでも林晃汰、羽月隆太郎らが活躍した広島の高卒ルーキーの現在地

2019.12.12

 今季、プロの舞台へと進んだ高卒1年目の選手たち。2000年生まれ世代の彼らは、「ミレニアム世代」と呼ばれ、高校3年の夏の全国高等学校野球選手権が第100回大会だったということもあり、大いに野球界をにぎわせてきた。

 根尾昂大阪桐蔭⇒中日)のように中学時代からその名を知られた者もいれば、吉田輝星金足農⇒日本ハム)のように高校3年時に一躍全国区となった者もいるミレニアム世代。そんな彼らの1年目の活躍を、球団ごとに振り返り、現在地を探っていく。今回は広島東洋カープを見ていこう。

一軍で輝き放った小園、ドラ7・羽月にも期待!

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別格の活躍を見せた小園海斗(報徳学園-広島東洋カープ) 写真:共同通信

 2018年プロ野球ドラフト会議で広島から指名を受けた高卒選手と、彼らのファーム成績は下記の通り。

1位 小園海斗 内野手 報徳学園
58試合 40安打 4本塁打 16打点 1盗塁 42三振 打率.213(一軍)
53試合 44安打 6本塁打 22打点 8盗塁 42三振 打率.210

3位 林晃汰 内野手 智辯和歌山
102試合 71安打 7本塁打 35打点 2盗塁 67三振 打率.225

4位 中神拓都 投手 市立岐阜商
87試合 33安打 1本塁打 10打点 1盗塁 56三振 打率.219

5位 田中法彦 投手 菰野
4試合 0勝0敗 4回 2奪三振 防御率2.25

7位 羽月隆太郎 内野手 神村学園
89試合 65安打 0本塁打 9打点 23盗塁 27三振 打率.300

※ポジションはドラフト指名時

 4球団競合の末に入団した小園海斗は、春季キャンプからアピールを続け、球団としては19年ぶりとなる高卒ルーキーによる開幕一軍を手にした。しかし出場機会のないままファーム行きとなり、シーズン序盤をファームで過ごした。6月に初出場を果たすと、以降は徐々に出場機会を増やし、夏場頃からは遊撃レギュラーの田中広輔の不調によりスタメン出場も増えていった。

 終わってみれば高卒ルーキーながら一軍で58試合に出場し、4本塁打、16打点を記録。打率こそ2割台前半ながら、三振数は安打数とほぼ同じで、プロの一軍の投手の球にも食らいついていることがわかる。来季は田中広輔も巻き返しを見せることが予想されるが、競争に勝ち、開幕スタメン、規定打席到達を目指したい。

 智辯和歌山時代から世代屈指のスラッガーとして知られてきた林晃汰は、ファーム開幕からコンスタントに出場を続け、チーム2位の348打席に立つなど多くの経験を積んだ一年だった。シーズン中盤までは打率2割そこそことプロの投球に苦しんだが、9月には月間打率.328、2本塁打、13打点を記録するなど、一皮むけた様子だ。19二塁打はウェスタン・リーグ3位、長打率.384は同6位と、長打力も発揮した一年だった。来季は一軍デビューを果たし、近い将来のスタメン定着を狙いたい。

 投手として指名を受けた中神拓都は、プロでは内野手に専念することになった。ルーキーイヤーは87試合に出場し、打率こそ2割台前半だったが、OPS.610とまずまずの成績を残した。安打数の倍近い三振数を喫しており、夏場以降に一気に成績が落ちてしまったが、6月には月間打率.333を記録するなど、活躍の兆しも見せた一年だった。

 最速152キロ右腕&高校通算30本塁打の二刀流として注目を浴びた田中法彦は、身体作りメインの一年を過ごし、ファーム公式戦の出場は4試合に止まった。高卒2年目で活躍を果たしたアドゥワ誠や、山口翔に続く活躍を見せられるか。

 下位指名ながらファームで輝きを放ったのが羽月隆太郎だ。本塁打こそ0本だが、打率3割に加えて、三振数27よりもはるかに多い65安打を放った。さらにリーグ2位となる23盗塁を記録するなど、持ち味を発揮した。一方で盗塁刺18や、打率に比べて出塁率、長打率が低いなど課題もある。今後じっくりと長所を伸ばすことができれば、面白い存在になるだろう。

 伝統的な厳しい練習により、特に野手の育成に定評のある広島。この中から第二、第三の鈴木誠也が出てくる日も遠くはないのかもしれない。

(記事=林 龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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