19歳と20歳の二遊間が本領発揮、オリックス自慢の若手が躍動
オリックス太田椋
ようやくオリックスらしさが出た野球だった。王手をかけられていた日本シリーズ第5戦で、若手らが躍動してヤクルトに競り勝った。9回、代打ジョーンズの勝ち越し弾で勝利したが、今季オリックス優勝の原動力となった若い選手の輝きが勝利をもたらしたと思っている。
2対2で迎えた7回。高卒2年目の紅林 弘太郎内野手(駿河総合出身)が左前安打で出塁。犠打を挟んで打席に立ったのは、高卒3年目・太田 椋内野手(天理出身)が右中間を真っ二つに破る適時三塁打で一時勝ち越しに成功した。紅林も、太田の打球に猛烈なスピードでダイヤモンドを駆け回り、ホームイン。19歳がチャンスメイクして、20歳が返した。日本シリーズ初スタメンの太田が貴重な一打。中嶋監督の巻き返し策の期待に見事に応えて見せた。
思い返せば、この紅林&太田の二遊間コンビで今季のオリックスがスタートした。3月26日、西武との開幕戦に、この2人はスタメン出場した。太田は2番セカンド。紅林は9番ショート。紅林は8回に迎えた第3打席に今季初ヒットをマークした。太田は3打席目まで無安打だったが、同じく8回に中安打と、開幕戦で互いにシーズン初安打を放って今季のスタートを切っていた。
紅林は完全にレギュラーをつかみ102安打を放って、優勝の原動力になった。日本シリーズでも打率3割をキープし、守備でも好プレーを連発し、引き締まったゲーム展開をけん引していた。そこに日本シリーズで太田との初の二遊間。互いに刺激し合って、この日の勝利をもたらした。
ヤクルトに比べ、下位打線が弱いと言われるオリックス打線に厚みが加わった。最後は日本シリーズ初登板の守護神平野もセーブを挙げた。役者がそろったオリックス。神戸での「最終決戦」でも若手野手の躍動で25年ぶりの日本一を大きく手繰り寄せるはずだ。