太田 椋選手 (天理)
寸評
今年の右打ち遊撃手として高い評価を受けるのが太田だ。坂本勇人を彷彿とさせるようなバットスイングから広角に本塁打にできて高校通算31本塁打、一歩目の速い遊撃守備といい、すべてにおいて華がある選手だ、高卒遊撃手を指名したい球団にとっては是が非でも指名するべき選手といえるだろう。 (打撃) スタンスは左足を少し引いたオープンスタンス、グリップを肩の位置に置いて、バットを寝かせ気味に揺らしながらリズムを刻んで構えている。両ひざを曲げて力を抜いた状態で構えることができており、体が硬直せずに始動ができる。 投手の足が下りたところから始動を仕掛けていき、左足を回しこむように上げていきながらタイミングを計っていく。まっすぐ踏み込んでいく。 トップの動きを見ていくと、捕手側方向へ引いていきながらバットを寝かせながらタイミングをとる。バットの動きを見ると、ヘッドが投手方向に入りすぎてしまい、ロスが大きい。一定以上のスピードがある速球だと差し込まれやすい欠点がある。金属バットだから打てている一面もあるが、今のメカニズムでしっかりと芯でとらえる技術を身に付けるべきだろう。 太田が良いのが右ひじの使い方で、右ひじを折りたたむようにして、振り出しに入るので、インパクトまでロスがない。そのため、現段階ではインコースも打てるし、実際に長打にできている。 また、引っ張り傾向な打撃だったが、腰の回転、スイングスピードを落とさずに逆方向に本塁打が打てるようになった。長くボールを見ることができるようになって、選球眼もよくなりボールも選べるようになった。打者として可能性が広がったといっていいだろう。 (守備) 評価される守備。とにかくボールを包み込むようなグラブさばきで、エラーがない。バウンドの合わせ方もうまく、1つ1つの動きも機敏。スローイングも強い。ただプロのショートに求めれる俊足走者を何としてもアウトにするようなスピード性のある動きは見られなかった。ただ基礎はできている選手なので、十分にプロの指導でスピード性も出てくる選手だといえる。
更新日時:
2018.10.16