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 9月1日、2019年 第29回 WBSC U-18ワールドカップ3日目。日本vsアメリカの一戦は16対7で日本が勝利し、歴史的な勝利となった。今回はアメリカ撃破となったキーマンをインタビュー。今回はトップバッターとして3安打を記録し、チームに勢いづける活躍を見せた森 敬斗桐蔭学園)に迫っていく。



森敬斗(桐蔭学園)

 1回裏、0対1の1点ビハインド。先制点を許し、アメリカ代表の先発マウンドに登ったのはベン・ヘルナンデス。150キロを超えるストレートを投げる剛腕で、この試合でも140キロ後半の速球をマークしていたが、森は決して臆することはなかった。ベンがいきなり投じた146キロのストレートをバックネット裏真正面のファール。タイミングはあっていた。

 初球からどんどん振っていくのは森のスタイルだ。このファールで振れていると手ごたえをつかんだ森は6球目、内角の146キロのストレートを振りぬくと、打球はライトの頭を超える三塁打。その後、同点のホームを踏んだ。この三塁打は「アメリカの速球投手にも対応できる」と日本打線を勇気づけるものだった。森はトップバッターとしての役割をこう話す。

 「アメリカは強敵ですし、日本の1番として先陣を切って、立ち向かっていかなければならないので、初球から思い切りよく振っていこうと思いました。そのことを常に意識しています」

 またこの三塁打が打てるまでに、永田監督の技術的なアプローチがあった。
 「昨日の南アフリカ戦の試合後なのですが、永田監督から『構え遅れ』を指摘されまして、ボールの当たり方、スイング軌道などをいろいろアドバイスをいただきました」
 そこでなるべく早めにタイミングをとって、構え遅れをしないこと。トップの立ち遅れをしないことを意識した。

「僕は7月に大会に負けてから木製バットでずっと練習をしていたので、木製バットの対応はできていました。ただ強くスイングしようと心掛けていたところがあったので、打撃練習で芯に当たれば飛んでいくことも分かったので、そのイメージで打ちにいきました。僕は打撃練習でいかに良いイメージで打撃ができるかを求めていますが、今日はその良いイメージで打席に入ることができました」

 その結果、三塁打につながった。その後の打席でも森は冷静だった。第2打席はチェンジアップに対し、膝を使って逆方向へ流し返し、そして第6打席は速球投手のマクレーンが投じた速球を芯で当てる意識でミートし、痛烈な右前適時打。6打数3安打1打点の活躍で、日本の勝利に貢献した。

 今大会、11打数5安打の活躍を見せている森だが、まだ自身のパフォーマンスに満足していない。
「まだ全然です。練習から良いイメージを保ち、さらに試合に臨んでいきたいと思います」

 ポテンシャルの高さはプロのスカウトからも高く評価されている森。
 読売巨人軍の長谷川国俊スカウト部長は「ミート力も高く、足もある。木製バットにも対応できている」と高い評価を口にする。

 今の森は3本塁打12打点を記録した昨秋の関東大会を思い出させる活躍だ。その活躍が続けば、日本の世界一はさらに近づいていく。

(記事=河嶋 宗一