目次

[1]選手宣誓が決まった時は怖さを感じた
[2]石川県はとても野球熱のある地域

 「令和最初の甲子園」として話題が尽きなかった第101回選手権大会。だが、東日本大震災の起きた2011年に行われた、第93回選手権大会もまた印象深い大会の一つであった。

 開会式で選手宣誓を務めた金沢高校主将の石田翔太さんは、当時の大会を「特別な思いを持って迎えた」と回想する。新たな時代を迎えた今だからこそ、決して忘れてはならない特別な年の大会を石田さんに振り返っていただいた。

選手宣誓が決まった時は怖さを感じた


 「春から夏にかけて、どれだけの時が経っても忘れることのない様々なことが起きました。それでも、失うばかりではありません。日本中のみんなが仲間です。支え合い、助け合い、頑張ろう。
 私たちは精一杯の笑顔で、全国の高校球児の思いを白球に込め、この甲子園から消えることのない深い絆と勇気を、日本中の仲間に届けられるよう、全力でプレーすることを誓います」

 第93回全国高等学校野球選手権大会にて、石川県代表金沢高校の主将だった石田翔太さんの選手宣誓全文だ。

 2011年は、災害が立て続けに起きた年だった。
 3月に東日本大震災が起きると、その後も選手権大会直前の7月に福島と新潟を豪雨が襲う。石田さんは東日本大震災だけではなく、豪雨の被災者や復興支援に走る方々、すべての人の思いを文に込めて選手宣誓に臨んだと振り返る。

 「東日本大震災が起きたことはもちろんですが、その後も豪雨の被害や復興支援など、大会までに本当に色々なことが起きました。自分たちのプレーの見て、少しでも前向きになる人が増えて欲しいと思って選手宣誓の言葉を考えました」



高校時代の石田さん※写真は秋季北陸大会優勝時

 毛筆で書かれた「当選」の二文字を見た時は、一瞬にして怖さに襲われた。
 選手宣誓が決まりチームメイトは大きく沸いたが、その責任の重さに石田さんは不安に駆られたことを明かす。

 「決まる前は他のチームの主将と冗談を言ったりしていましたが、いざ選手宣誓を引き当てると『本当に引いちゃったよ』って感じで怖くなりましたね」

 それでも石田さんはチームメイトにも力を借り、限られた時間の中で何とか選手宣誓の文章を考えた。選手宣誓文の中には、チームメイトに考えてもらった言葉もいくつかある。

 「選手みんなに、2011年を連想させるような言葉をメモ紙に書いてもらいました。みんな真剣に考えてくれて、『絆』や『仲間』、『支え合い、助け合い』といった言葉は、みんなに考えてもらったものですね」

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