目次

【まずはVol.01を読む】読売ジャイアンツ 鈴木 尚広選手(相馬高出身) Vol.01

[1]ヒント4:スライディングは「ベースに合わせない」
[2]スライディングのポイントとは?
[3]100%の盗塁は「スタート前」から始まっている

 球界随一、孤高の走塁職人といえる読売ジャイアンツ・鈴木 尚広選手が語る独自の盗塁理論。

 前回はリラックス、準備を経てのスタートと加速まで話を聞いた。今回は盗塁のフィニッシュにあたるスライディングについて、そして、盗塁に際する心構えに関してもヒントを語ってもらった。

ヒント4:スライディングは「ベースに合わせない」

読売ジャイアンツ 鈴木尚広選手

 鈴木 尚広選手の盗塁シーンを見ていると、わかりやすい特徴が2つある。
ひとつは、まるで力が入っていないかのようなきれいでスムーズなランニングフォーム。そしてもうひとつは、まったく減速を感じさせないスライディングだ。

「僕の中では跳ぶ意識はないですけど、客観的にはそう見えるようですね」
鈴木選手のスライディングは、通常よりベース寄りと思われる距離から、まるで矢のように突き刺さる。この鋭さをもってして、タイミングはアウトなのに結果はセーフという盗塁をいくつも成功させている。

 アウトかセーフか、結果が出るシーンがスライディングになるわけで、観ている者の心理としては、否が応でも鈴木選手のスライディングに注目してしまう。

 例をひとつ挙げてみよう。今シーズンの2014年7月23日、甲子園での阪神戦。9回表2対2の同点で1アウト一塁。この場面で代走で登場した鈴木選手。バッターボックスには村田 修一選手。マウンド上には能見 篤史投手。

 カウント1ボール1ストライクからの3球目だった。鈴木選手が盗塁をしかける。内角の変化球に村田選手は空振り。ワンバウンドになったものの、うまくボールを救い上げた阪神・梅野 隆太郎独占インタビュー:梅野 隆太郎 選手)捕手は二塁へ絶妙の送球。セカンドベースへ入った上本 博紀選手のグラブにピタリと合い、タイミングとしてはアウトだった。

 しかし、上本選手のグラブが鈴木選手の身体にタッチする前に、右足はセカンドベースへ到達。結果はセーフに。

 結局、この後二死満塁からワイルドピッチでホームに生還、3対2で勝利し、2位阪神に追い上げられていたゲーム差を押し戻した。 

【10月特集】スピードを生かす技術

このページのトップへ