今年の高校生で数少ないプロ志望の投手として注目されるのが、高松商の152キロ右腕・高橋 友春だ。春先の練習試合からNPB球団のスカウトが視察をしている。
しかし現状ではチーム3番手の立ち位置で、思うような結果を残せていない。夏までの成長がチームの浮沈を握っていると言っても過言ではない。センバツでの投球を振り返っていきたい。
早稲田実戦の9回表に登場した高橋は1回を投げきる事ができずに降板してしまった。ストレートは安定して140キロ後半(最速148キロ)を投げ、ストレートの威力は今年の高校生投手の中では上位のものがある。課題は制球力、変化球である。フォームのブレを少なくするために、セットポジションから始動するが、リリースポイントが乱れており、ボールが制御できていない。目一杯投げようとするあまり、全体的にフォームに力みが見られる。そのためボール先行になって、投球が苦しくなってしまう。
また変化球もスライダーなどを投げていたが、安定してストライクが取れる精度がないので、直球に頼る形になる。直球でねじ伏せようとするあまり、投げるボールのほとんどが高めに外れてしまい、打者に振り抜かれてしまう。カウントを取れる変化球、空振りを奪える変化球を習得して、140キロ後半の速球を活かせる配球をしていきたい。
夏まで試合を作る能力が高まらない限り、登板する状況が限られてしまう。春の四国大会、夏の香川大会で、センバツから大きく成長した投球を見せることができるか。
予想を上回る成長を見せれば、高松商投手陣はさらに盤石なものとなり、今年はプロ志望の高校生が少ないので、ドラフトでも人気株になるだろう。
“未完の剛腕”から脱却できるか注目だ。