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あのスターたちも春季関東大会に出場していた!モノが違った8人の逸材たち【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.20』】

2024.05.19


左から関東一時代の井坪陽生、東海大甲府時代の高橋 周平、専大松戸時代の上沢 直之、深沢鳳介

皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です!

5月18日から春季関東大会が開幕しました。開会式では、昨夏甲子園優勝の慶應義塾、選抜優勝の健大高崎の表彰があり、慶應義塾加藤 右悟主将が選手権優勝旗、健大高崎箱山 遥人主将が選抜優勝旗を披露しました。真紅(選手権)、紫紺(選抜)の優勝旗を同時に見られ、関東地区を中心に取材している私は感動を覚えました。

優勝旗を掲げた加藤(慶應義塾)

関東大会はこれまでプロで活躍している選手が出場しています。1年ごとに振り返っても思い出深いのですが、今回は特にモノが違った8人をピックアップして振り返っていきたいと思います。

2011年 春季関東大会(千葉開催)
モノが違った高橋周平、渡邉諒の東海大甲府コンビ、上沢直之(専大松戸)も期待通りの快投!

この大会はドラフト候補が集結しました。当時の一番人気は高橋 周平内野手(東海大甲府-中日)。全12球団が注目する大型遊撃手として、初戦の八王子戦が行われる袖ケ浦球場にはスカウトが集結しました。3打数2安打2二塁打2四球という結果でしたが、捉える打球は鋭かったですし、選球眼も高く、モノが違う内容でした。課題のショート守備もしっかりと足が動いていて成長が感じられました。

高橋選手は最後の夏、甲子園に出場できませんでしたが、アジア選手権では優勝に貢献。決勝戦の韓国戦では木製バットで本塁打を放ち、評価をさらに高めました。渡邉 諒選手(東海大甲府-日本ハム-阪神)は1年生ながらベンチ入り。5回表に代打として起用され鋭い中飛。第2打席は満塁本塁打を放ちました。当時から鋭いスイングと甘い球を逃さない姿勢が光っていました。あれだけの技量を持った1年生はなかなか見られません。渡邉選手も13年のドラフトで日本ハム1位指名を受けましたが、その兆しは当時から感じられました。

上沢 直之投手(専大松戸-日本ハム-レイズ-レッドソックス)は前橋商戦で先発して1失点完投。本調子ではありませんでしたが、角度のあるストレートは絶品でした。変化球の精度も非常に高く、しっかりとスカウトにアピールをしていました。

【当時の試合レポート】
◆圧倒的な存在感を示す高橋周平! 怖いもの知らずの1年生・渡辺諒!
◆怪腕復活の兆し 上沢直之

2013年春季関東大会(栃木)
ブレイク前の高橋光成投手(前橋育英)当時から140キロ中盤の速球を連発

この大会で最も目を惹いたのは前橋育英高橋 光成投手(西武)でした。高校2年生ながら187センチの大型右腕の高橋投手は滑らかな体重移動から140キロ台の直球、切れのあるスライダーを投げ分ける投球が光っていました。大型投手でこれほど器用に投げられる投手はなかなかいません。決勝戦では浦和学院に4失点を喫し、準優勝に終わりましたが、順調にいけば、来年のドラフト上位候補になるだろうと見ていました。その夏、さらに成長を魅せて、140キロ台後半の速球を投げるまでに成長。甲子園優勝投手になるのはかなり驚きでした。

【当時の試合レポート】
◆浦和学院が執念の粘り打ちで好投手を攻略!3年ぶりの関東大会制覇!

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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