Column

全国を目指す熾烈な戦いに挑む11チーム出揃う!関東地区は白熱の予選会がいよいよ開幕!<田中裕毅の”準硬ドットコム”第18回>

2024.05.29


早稲田大・大澤龍登

3月に開催された関東大会を皮切りに、関東地区でも2024年シーズンが始まり、あっという間に春季リーグが終了。6月からは、いよいよ全日本大学準硬式野球選手権大会(以下、全日大会)、清瀬杯全日本大学選抜準硬式大会(以下、清瀬杯)への出場をかけた予選会が始まる。

全国を目指すチームにとっては、大一番となる予選会を前に、出場校の顔ぶれを見ていきながら、注目ポイントを紹介したい。

ルーキーたちの活躍が目立った東京六大学、東都の代表チーム

東京六大学は、3月の関東大会で準優勝だった法政大とともに、早稲田大と明治大の2チームが、予選会に出場する。

法政大は3月の関東大会で準優勝という結果を残したことで出場するが、リーグ戦では4位に終わっている。東京六大学のレベルの高さが伺い知れるが、その法政大から早稲田大、明治大ともに勝ち点を奪っている。

優勝した早稲田大は全チームから勝ち点を奪って春季リーグを終えた。
早くから中心となった大澤龍登をはじめとした投手陣はもちろんだが、低反発になっても衰えない長打力が魅力的で「どんなに点差がついていても安心できない」と関係者が証言する強力打線を牽引するのが久保嶋 真也だ。チーム最多4本塁打、10打点をたたき出すなど久保嶋が主軸となり、優勝に貢献した。

対して2位でリーグ戦を終えた明治大は、投手陣を中心に守り勝ってきた。
特に光ったのはルーキー・伊藤 彩斗投手。23年の夏、土浦日大の甲子園ベスト4進出に貢献した逸材が、早々に勝ち頭として投手陣を支えた。4年生・田村 陽大投手らとともに、予選会でも自慢の投手力を発揮するか。

帝京大・宮島英輔

強豪ひしめく東都からは、日本大と帝京大の2校が出場する。
リーグ戦は中央大が制したものの、3月の関東大会で優勝したために、2位・日本大と3位・帝京大となっている。

2年連続全日大会の決勝進出を決めている日本大は、投手陣の好投で守り勝つ野球がリーグ戦で光った。
22年の全日大会で優勝投手になった3年生サブマリン・足立丈投手が活躍。4試合に先発登板するなど、チームトップとなる8試合の登板と中心選手として引っ張った。さらに新戦力として既に3試合に先発している赤岩綾太郎投手など、1年生の活躍が起爆剤となるかが、予選会でのポイントになりそう。

もちろん、投手陣を援護する野手陣・山本創也、半田陸人の4年生コンビに注目したいところである。

そして帝京大は、3月の関東大会でも3位に入った実力校。宮島英輔、渡邊惹々紀の両投手。さらに今季絶好調の飯泉康介らが牽引しており、攻守のバランスが取れている。

宮島は4試合、渡邊は6試合に先発登板と、2本柱としてリーグ戦で好投を見せてきた。特に渡邊は42回を投げて防御率1.93と安定感は光っている。一発勝負の予選会でも、同様の投球を見せられるか。

持ち味のバッティングを生かした攻撃的野球の中心となる飯泉は、リーグ戦に全試合出場で打率.289ながらも、OPS1.005という数字を記録。勢いに乗せたら止められないチームなだけに、飯泉が火を付けたいところだ。

ノーノー達成右腕など逸材集まる神奈川、新関東、北関東連盟の強豪たち

神奈川大・近野歩飛

神奈川連盟からは神奈川大と関東学院大の2チームが出場する。
特に神奈川大は、関東大会でもベスト4に入った勢いそのままに、リーグ戦でも優勝を手にした。
下級生から投手陣の中心にいた近野歩飛が、チーム最多4試合に先発登板を果たして優勝に貢献した。他にも、リーグ戦で16回投じるなど、近野とともに投手陣を支えた及川静哉を筆頭にリーグ戦でも活躍を見せたいところ。

2位で予選会に出場する関東学院大は、投手陣では5試合に先発登板した山口将吾、野手陣はOPS1.083の飯田陸翔、OPS1.005湯地 俊真の2人などが軸になって活躍した。

新関東連盟からは日本大三崎町と創価大の2チームが予選会に出場する。
特に日本大三崎町は、リーグ戦無敗で優勝を手にした。エース・佐藤和輝がノーヒットノーランを成し遂げるなど、7試合に登板して防御率0.20と圧巻の投球を見せた。一発勝負の予選会でも、同様の投球を見せるか。

創価大はリーグ最多安打、最多打点を記録した崎坂 俊介の活躍がリーグ戦で光った。3月の関東大会ではシード校として出場したものの、法政大の前に敗れた。リベンジマッチが実現するか。

北関東連盟からは群馬大荒牧と高崎健康福祉大の2校が出場する。
優勝した群馬大荒牧は、西地区2位から準決勝・優勝決定トーナメントを勝ち切って優勝を手にした。この勢いを予選会まで維持できるか。対して高崎健康福祉大は、西地区では強さを見せたが、準決勝・優勝決定トーナメントであと一歩力が及ばなかった。近年、予選会に出場するものの、全国の切符を逃し続け、悔しい思いをし続けている。悲願の全国へ道を切り開くことができるか。

全日大会には5チーム、清瀬杯には4チームに出場権がある関東地区。予選会に出場する11チームの中で、全国への扉を開くのはどのチームなのか。

固定ページ: 1 2

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商