【春季東海大会】”2年生集団”の菰野が勢いが止まらない!名門・県立岐阜商を退け、決勝進出
タイブレークの末の勝利に喜ぶ菰野
【トーナメント表】春季東海大会 結果一覧
<春季東海地区高校野球大会:菰野6-5県立岐阜商(延長10回)>◇19日◇準決勝◇長良川球場
開催地でもある岐阜県で、春季県大会を制した県立岐阜商。前評判通りの安定した強さを示して勝ち切ったと言っていいであろう。そして、県大会を制したことで、鍛治舎 巧監督は、この東海大会に関しては‟夏の甲子園のシミュレーション”という捉え方で挑んだ。県大会を勝ち上がって代表となった大会で、県外有力校と、どのように戦えるか。そして、どう勝利するのか、ということをテーマとして挑んだ。
初戦は静岡(静岡)との名門校対決を僅差で逃げ切ってのベスト4進出。「当然、頂点を狙っていく」という戦いになるが、そこに三重2位校の菰野が立ち塞がった。
菰野はスタメン全員が2年生という布陣。今大会の登録メンバーの20人中、15人が2年生でもある。戸田 直光監督は、「現在の実力ということで選んでいったら、たまたま、こうなった」と語っている。
菰野としては、初戦で実力的には格上かと目されていた享栄(愛知)を下したことも大きかったようだ。
県立岐阜商は、前日にエースの森 厳徳投手(3年)が好投したのを受けて、この日は鍛治舎監督としても「森に続く投手としての期待が高い」と、県決勝で好投した池田 諒真投手(3年)をマウンドに送った。対する菰野は、中学時代にはハンドボールの選手だったという背番号10の贄 慶大投手(2年)が先発した。
どちらも立ち上がりには、いくらか不安を覗かせつつも、3イニングを0に抑えたが、4回、菰野は1死二、三塁という場面で、5番・梶谷 大世外野手(2年)の内野ゴロの間に三塁走者がかえって先制する。
しかし、その裏から、贄投手をリリーフした奥野 彼方投手(3年)が立ち上がりにやや不安定さを見せてしまい、そこに付け入った県立岐阜商が、6番・日比野 遼司内野手(3年)の適時打など3安打を集中させて、たちまち同点とした。このあたりは、県立岐阜商の勝負強さというか、選手個々の意識の強さも感じさせた。
後半に入って、菰野も6回に3四死球などの末、押し出しで再びリードする。県立岐阜商としては2人目の近藤 朝日投手(3年)の代わり端だっただけに、鍛治舎監督としては不満も出るところであろう。
ところが、県立岐阜商はしぶとく7回に、菰野3人目の磯部 陸人投手(3年)に対して四死球と暴投で攻めて、内野安打と犠飛で逆転した。
そして、1点リードで県立岐阜商は、満を持した感じで森を送り出す。連投となったが、8回はあっさりと3人で抑えて、そのまま県立岐阜商の逃げ切りかと思えた。
しかし、9回1死から1番をつけた代打・栄田 人逢投手(2年)が内野安打で出塁すると、2死一、三塁から、2番をつけた代打・栗本 賢佑捕手(2年)が迷わず振り抜いて左前打を放って同点。この同点になったところで、「登板もあるということで、準備をし始めた」という森 柊真内野手(2年)が、9回からリリーフのマウンドへ。9回を3人で切って、試合は延長タイブレークに突入した。
10回表、菰野は4番・森からだったが、戸田監督は、「送りバントはないから思い切って行け」という指示だけを出したという。その初球をたたくと、左中間二塁打となって2人がかえった。さらに安打、四球で繋いで1死満塁というところで、途中から8番に入っていた渡邉 泰生内野手(2年)がセーフティースクイズを決めて、この回3点目。結果的には、これが決勝点となった。
県立岐阜商はその裏に1点差まで食い下がったが、森投手の前に、1歩及ばなかった。
菰野は16人が出場した。戸田監督も、「公式戦でこんなに選手を使ったのは初めてかなあ」と、苦笑していた。それでも、「守りのミスが少なかったのがよかった。それと、使う予定がなかったけど、こういう展開になったから投げさせたけれども、森が急遽ながらよく投げた」と、振り返っていた。
2年生主体のチームは、まだまだ伸びしろもありそうで、夏までにはさらに経験を積んでいけば、チーム力はさらに上がっていきそうだ。一躍、夏の三重大会の本命に躍り出そうな勢いである。
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