軸を作る
軸を作る2011年05月17日
先月は、目に着目してお話ししました。
しかし目だけが良くても競技力は上がりません。動体視力を鍛えたら次は身体をどのように動かすかです。反応が良くても情報に対して正確に身体を動かさなければいけません。そのために必要になってくるのは身体の使い方です。よく「体幹を鍛えろ」というお話を聞かれますが、実際にどのように鍛えればいいのか。
「腹筋をすればいいのか?」「体幹だけでいいのだろうか?」など様々な疑問が浮かんできますが、今回は体幹の鍛え方を説明していきます。雨の多い梅雨の時期に、ぜひ試してみてください。
まず体幹とは、四肢を除いた部分です。胸の部分から股関節の部分までです。腹筋は何層にも分かれています。深部の筋は固定する働きを、表部の筋は動きを作り働く、サイドの筋は捻りをメインで作る筋です。これらの筋が働き、体幹の動きを作っているのです。
腹圧を高める
【軸が出来て安定している】
腹圧を高めて体幹を固定するという話を聞きますが、腹圧を高めるとはどのような状態なのか。
「腹圧を上げる=おなかを引き締める」ということです。
例えば、腰痛の人がする「腰痛バンド」。あれも腹圧を上げるものです。
腹圧を上げることで、内臓も安定しますし(周りの筋肉で支えられているから)、なにより姿勢が安定します。
ちなみに、腹圧(腹筋、お腹の筋肉)を意識しないと、上半身を支える力がなくなり頭がぶれます。
腹圧を上げる=おなかの筋肉群を引き締めることで腰椎(腰の骨)の負担が減り、背骨とお腹を含めた、お腹周り全体でカラダを支えることができるんです。
そして、その腹圧をかけてカラダの安定感を増すことで、上半身と下半身はスムーズに連動しやすくなる働きがあります。
軸を作る
【タオルギャザー】
軸とは地面から垂直に伸びた臍・鼻を通る直線です。
身体の中で一番重い頭は一番上に乗っています。ということは、体幹が緩んでしまうと頭は前後左右にぶらつきます。そのため身体の動きがぶれてしまい、動き全体を崩してしまいます。軸がブレる=頭もブレる。下半身で踏ん張っていても、真ん中の部分で崩れてしまうと、頭はぶれてしまうのです。
だから投げる動作にしても打つ動作にしても軸を作ることが大切になってくるのです。回転ドアをイメージしてみてください。真ん中に軸があるから末端の動きが同じになってくる。人の動きも似ていて、軸のない動きは、動きが定まらず肩や肘に負担がきます。
動作と軸
動きとは、軸の上から重心がズレることにより動きが生まれるのです。それが、走る・投げる・打つという動作です。
動きとは、まずは軸を作りそこからスタートします。
今回、お話した体幹・下半身の安定をすることで頭の位置が定まり目のブレが少なくなる。そのことにより、正確に目でボールを捕らえることができるので正確性が増します。だから「軸を作る」ということが動きの中で、とても重要な要素となるのです。
【ページ下部・写真の説明】
図3:軸ができて安定している状態
図4:軸から重心がずれた状態。動きが始まっている。
図6:タオルギャザー。足の指でタオルをつかみ、引いてくる。足裏の感覚が養え、下が安定する。
図7:スクワットの姿勢で行うトレーニング。ゆっくりと息を吐きながらへそを凹ます。
・背中を地面に付けるイメージ
・背中を丸めない
・おしりの穴を締める。
・これを立って出来るようにする。
(文=保田 貴史)