第165回 打倒・中京大中京!球国愛知の2021年の注目チームは古豪・国府と全三河Vの日本福祉大附2021年01月08日
コロナ禍とはいえ、秋季大会は東海4県すべてで予定通り開催することが出来た。また、東海地区大会も、無観客という形ではあったものの、予定通りに国体リハーサル大会として三重県で終えることが出来た。そんな秋季大会から、来季の躍進が期待されるチームを拾ってみた。(文/手束 仁)
愛知県での一推しチームとしては、好左腕投手を擁して安定した戦いぶりを示し、21世紀枠の県推薦校に選出された東三河地区の国府。さらには11月の全尾張大会を初めて制した知多地区の新鋭勢力として近年躍進著しい日本福祉大付だ。
16強入りを果たした東三河の古豪・国府

全三河大会を3位で終えた国府
夏のチームからエースとして登板経験の豊富な左腕・足立 進悟君がチームを引っ張るが、この秋は東三河地区予選では、足立君がケガなどもあってやや出遅れていた。一次トーナメントの代表決定戦で豊橋中央に敗れて、第5代表戦も成章にも大敗した。それでも、第7代表決定戦で豊丘を下して進出した県大会では安城に完封勝ち。さらに2回戦でも夏の準優勝校の愛知産大工に完封勝ちしてベスト16に進出。享栄には力負けしたものの、その戦いぶりが評価されて愛知県の21世紀枠推薦校に選ばれている。
秋季大会後の全三河大会ではすっかり足立君も調子を上げてきて、西三河1位の豊田大谷を下し、成章にも東三河地区予選のリベンジを果たして4強入り。3位決定戦でも東三河の強豪で一昨年夏の愛知大会準優勝の桜丘に競り勝つなど勝負強さを示した。
県大会終了後に前任の大城崇紀監督を引き継いだ岡本篤史監督は今春に豊橋工から異動してきたが国府OBでもある。豊橋工時代には責任教師として21世紀枠代表の甲子園出場の引率もしている。「チームの雰囲気は、その時に負けないくらいにいいものになっている」と、手ごたえを感じている。
国府としてはかつて1975年にその後中日入りする青山久人投手と東海大を経て大洋(現DeNA)入りする市川和正捕手のバッテリーで甲子園出場も果たしたという歴史もある。その伝統も岡本監督は今の生徒たちにも伝えていきながら、令和の時代に新たな歴史を築いていきたいという意欲を示している。
この冬に、打線のパワーアップを図ることが出来たら、足立君と加藤駿介君のバッテリーがしっかりとしているだけに期待はさらに膨らんでいく。攻撃でキーを握る存在となりそうなのはリードオフマンの鈴木快晴君だろうか。

- 手束 仁
- 生年月日:1956年
- 出身地:愛知県
- ■ 経歴
愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。
スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。 - ■ 著書
『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社)
『甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)
話題作となった
『甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
『スポーツ進学するならコノ高校』
『東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
『三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
『スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
『高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
『野球県民性』(祥伝社新書)
『野球スコアつけ方と分析』(西東社)
『流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW! - ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
- ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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