3月11日、センバツは史上初の中止が決まった。そのセンバツ出場校に対しての救済策が著名人から挙げられている。今回、高校野球ドットコムでもお馴染みのライター陣が各自で考えた救済案を紹介していきます!

 まず1回目は東京都を中心に取材活動を行う大島裕史記者です!

休養日を有効に活用しての特別試合


 本来なら、今ごろは令和初のセンバツ優勝校が決まっていたはずである。センバツ出場の32校の球児たちは、何の落ち度もないにも関わらず、晴れの舞台に立つことはできなかった。夏の厳しい練習に耐え、相次ぐ台風の上陸など、過酷な気候条件の中で行われた秋季大会で好成績を上げて選ばれた球児たちの無念の思いは、察するに余りある。

 何とか救済策はないかと思うのは当然のことであるが、実現はそう簡単ではない。
 救済策としてセンバツと夏の甲子園大会の合同開催案がある。夢のある話であるが、まず日程的に厳しいうえに、センバツ出場校の地方大会の扱いも問題になってくる。

 シーズンオフになる秋以降という案もあるが、野球部は1、2年生のチームに代替わりしているし、3年生の中には、受験勉強に専念している生徒もいるだろう。
 完全な形でトーナメント大会を開くことは、現実としては不可能だと思う。ただ現場からは、「1試合だけでも甲子園球場で試合をさせてあげたい」という声を聞く。

 甲子園球場の持つあの独特の雰囲気は、特別であり、1試合でもできれば、青春の貴重な思い出になるに違いない。そして、1試合でもいいというのなら、私は可能だと思う。以下は、センバツ中止に伴う救済策として行う特別試合の私案である。

休養日を有効に活用しての特別試合

 対象となるのは、センバツ出場校のうち地方大会で敗れ、夏の甲子園大会に出場できなかった学校だ。地方大会で優勝し、晴れて夏の甲子園大会の出場を果たしたチームは、春の無念の思いも含め、思う存分プレーしてほしい。そのうえで、

〇対象校が17校~24校の場合。
 まず夏の甲子園大会で3回戦と準々決勝の間に、新たな休養日(A)を設ける。加えて、既に定められている準々決勝と準決勝の間の休養日(B)と、準決勝と決勝戦の間の休養日(C)で、1日4試合を行えば、最大24チームの試合が可能になる。対象校が奇数になった場合、宿泊の負担軽減も勘案して、Bの勝者のうちの1チームが2試合目を行う。 ちなみに、昨年の春夏連続出場は11校で、対象は21校となる。

〇24校を超えた場合
 A、B、Cに加え、開会式のリハーサルの後に2試合程度を行う。その場合、雨天などで試合ができなかった時に融通が利くように、甲子園に日帰りで行ける、近隣のチームを対象にする。
 それでも消化できない時は、決勝戦の前に2試合程度を行う。その場合、決勝戦を定時に開始するため、時間制限のある試合にする。 なお、雨天などで試合が中止になった場合は、決勝戦の翌日以降の予備日に行う。

〇対象が16校以下だった場合
 A,Bを1回戦とし、Cを2回戦として、勝利チームは2試合を戦えるようにする。

高校野球モードの甲子園で試合ができるメリット

 この案であれば、日本高校野球連盟と夏の甲子園大会の主催の朝日新聞社とセンバツの主催の毎日新聞社が協議して合意すれば、可能なはずである。

 また甲子園球場とその周辺は、高校野球の時とプロ野球の時とでは、雰囲気が異なる。夏の大会の期間中であれば、高校野球モードの甲子園で試合ができるというメリットがある。

 さらに、夏の大会の期間であれば、全国の高校野球ファンもメディアを含めた関係者も観戦しやすい。つまりいつもと変わらぬ、高校野球の甲子園球場で試合ができるわけだ。そして、夏の甲子園大会で2日続けて試合するチームはなくなり、休養日も間延びすることなく、有効に使うことができる。

 もちろん、センバツで試合をすることに比べれば、完全な形でなく、中途半端な部分があることは否定しない。それでも最低限、センバツ出場校の球児たちが、出場を果たした努力の証として思い出を作ることができるのではないか。

 もっとも私の案は、夏の大会が無事に開催できればの話である。コロナウイルスの感染は、先が見えない。今は1人1人が自重すべきは自重し、夏は高校野球ができる状況になっていることを祈るしかない。

(文=大島 裕史)