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第254回 体の安定性と求められる身体的な要素2020年09月30日
【目次】
[1]体を安定させるために必要な3要素
[2]重心と股関節の動き
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
猛烈な暑さは過ぎ去り、空はすっかり秋を感じさせるようになりました。体を動かすにはとてもいい季節ですが、台風や大雨なども多い時期です。気候の変化による体調不良も多くなりますので、なるべく良いコンディションを保ちつつ、野球に取り組んでくださいね。さて今回は体を安定させるために必要な要素と、それを可能にする身体的な要素について考えてみたいと思います。
体を安定させるために必要な3要素

体を安定させるための3要素
体を動かすためには不安定なところでも自分の体をコントロールできるバランス能力が求められます。ところで野球における「バランスがいい」とはどのような状態を言うのでしょうか。静止した状態ではなく、動いている体をコントロールしながらパフォーマンスを発揮できる状態と言えますが、思うように体をコントロールできる人は多くないと思います。一方、体を安定させるという状態は3つの要素を考えてみるとわかりやすいと思います。
1)重心の位置
重心の位置が低くなればなるほど、安定性は高まります。守る姿勢で腰高になってしまうと鋭い打球に対応できずにエラーをしやすいというだけではなく、重心位置も高くなるため体を動かすとバランスを崩しやすくなることが考えられます。
2)支持基底面の広さ
体重を支えるために必要な床面積の事を支持基底面 (しじきていめん)と言います。支持基底面は足裏の接地面積だけではなく、足を広げるほど支持基底面は広がります。片足よりも両足の方が支持基底面は広く安定しますし、両足を揃えて立つよりも両足を開いた方がより安定するのは体感として理解できると思います。
3)重さ
これは単純に体重が重いほど安定しやすいということになります。例えば軽いものだと風などで飛ばされてしまいますが、重いものだとその場にとどまる可能性が高く安定します。
この3要素と野球のパフォーマンスを考慮しながら、求められる身体的な要素について考えてみましょう。

- 西村 典子 トレーナー
- ■ 生年月日:1970年12月5日
- ■ 出身地:大阪府
- 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。
一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。
現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。 - ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
・日本スポーツ整形外科学会会員 等 - 講演依頼はこちら
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