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第154回 野球に必要なバランス能力を考える2016年09月29日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村 典子です。

 秋季大会を終えたチームにとっては対外試合が出来なくなる12月まで、さまざまな実践練習や試合などを繰り返しながら技術のレベルアップに努めていることと思います。またこれと並行して体力強化も行い、ケガの予防やパフォーマンスの向上をフィジカル面から支えていくことが大切です。さて今回は体力要素の一つであるバランス能力についてお話をしたいと思います。

【目次】
[1]野球に必要なバランス能力 / バランス能力を確認する方法
[2]足裏の機能を良くする / トレーニングで姿勢をチェックする

野球に必要なバランス能力

 野球を行う上でバランス能力が大切であることはよく知られていますが、なぜ必要なのでしょうか。体力要素の一つとして他の要素と並行して強化することはもちろんですが、投球動作やスイング動作においてバランスが崩れてしまうと、投球動作であればボールリリースがばらついてコントロールが悪くなってしまう、スイング動作であれば、バットに当てる(ミートする)ことを念頭に置いてスイングしたつもりが、ボールをとらえきれずに凡打する、といったことが考えられます。

 野球の動作は地面に足をついた状態から始まりますので(空中に足が浮いているのはジャンピングスロー、ジャンピングキャッチ等)、地に足をつけた状態でいかに安定した状態を保てるか、特に投手であれば軸足に体重を乗せてバランスよく立った状態を保てるかといったことが、バランス能力の指標になると思います。またマウンドでは傾斜があり、球場によってその傾斜は微妙に違ってきます。

 よくマウンドと自分の投球動作が合わずに苦労する投手を見かけますが、これもバランス能力を高めることで改善することが期待できます(もちろん筋力や筋持久力など他の体力要素も影響する)。安定した地面の上で身体を保つだけではなく、不安定なサーフェス(表面)においてもぶれないバランス能力が求められます。

バランス能力を確認する方法

その場足踏みを50回行ったところ、最初の位置からは前方へ移動してしまった

 自分のバランス能力を簡単にチェックする方法としては、その場で足踏み運動を行うことなどが挙げられます。まず自分の立ち位置を把握し(印をつける、ライン上に立つ等)、そこから目を閉じてその場で30秒、もしくは50回程度足踏みを行います。その後、目を開けて自分の現在立っている位置を確認してみましょう。思ったよりも移動しているケースが多く、その移動距離が多ければ多いほどバランス感覚を修正する必要があるといえるでしょう。

 特に頭の位置が前側に傾いていると前方へ移動しやすくなります。スマホやパソコンなどの使用が日常的な人は、頭の位置が前側に傾いていることが多く、重心が前方へと移動しやすい傾向にありますのでチェックしてみましょう。

 また起床時に壁際で片足閉眼立ちを行うことも一つの方法です。寝起きですので転倒に注意しながら、目を閉じて片足で何秒間キープできるかをチェックします。これを毎日記録していると、フィジカル面での調子の善し悪しや、バランス能力の状態などを把握することができ、パフォーマンスとの関連性を確認するよい指標となるでしょう。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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