[1]春の4強チームの課題
[2]慶應義塾、平塚学園も十分射程圏内 ノーシードの横浜も戦力の層はトップクラス
[3]各ブロックの有力校
■第97回全国高等学校野球選手権神奈川大会 組み合わせ(やぐら)はこちら
相模原ブロック | 横浜隼人ブロック | 桐光学園ブロック | 慶應義塾ブロック
橘ブロック | 日大藤沢ブロック | 東海大相模ブロック| 平塚学園ブロック
勢力図不変か、それとも勢力図一変か。今年の神奈川は、秋から春を見ても、勢力図が変わっていないのである。
昨秋の神奈川のベスト8以上は以下の通り。
優勝 平塚学園 準優勝 桐光学園
ベスト4 相模原、東海大相模
ベスト8 慶應義塾、横浜隼人、湘南学院、日大藤沢
今春のベスト8以上は以下の通り
優勝 東海大相模 準優勝 相模原
ベスト4 橘、桐光学園
ベスト8 平塚学園、慶應義塾、日大藤沢、横浜隼人
ベスト8以上に絡んだのは、計9校。これを見ると今年の神奈川は勢力図が1年通して変わっていないのである。これは、ベスト8以上の学校が絶対的な力を示しているとも言えるし、ベスト8に絡んでいない学校がまだ夏へ向けて仕上がっていないとも言える。だがこの勢力図は一気に変わることが予想されるだろう。ノーシードで夏を迎える学校の中にも、実力ある学校が多い。神奈川の今大会を占っていく。
春の4強チームの課題

小笠原 慎之介(東海大相模)
春季大会優勝の東海大相模は、足柄と岸根の勝者と対戦。カギはWエース・小笠原 慎之介、吉田 凌の二枚看板が夏にピークを持っていく調整ができるか。だが2人でも7試合を投げぬくのは、体力的な負担が大きい。左腕・山田 啓太、右腕・北村 朋也が春季大会で経験を積み、実戦でも活躍できる見通しがたったのは大きい。
また、杉崎 成輝、豊田 寛、千野 啓二郎、長倉 蓮の4人の経験者を中心とした打線は強力。ただ関東大会準決勝では、浦和学院の江口 奨理を打ち崩せずに完封負けを喫したように、駆け引きが優れる左腕の対応に課題を残した。各校はそういった対策をとってくると予想されるので、そこに対応できるしぶとさ、粘り強い打撃ができれば、連覇も見えてくるだろう。
準優勝の相模原は開幕戦で登場する相模向陽館と百合丘の勝者と対戦。エースの宮崎 晃亮は、140キロ近い速球をコーナーに投げ分ける投球術が光る。また打力もあり、投打で引っ張る存在で破壊力ある打線も魅力。課題となる守備力が身につけば、この夏も、甲子園出場を争う一番手となるだろう。
ベスト4の桐光学園は関東学院と希望ケ丘の勝者と対戦。桐光学園の大工原 壱成、松尾 健太、中川 颯は一発も打てて勝負強く、できれば勝負を避けていきたいところだが、根本 郁也、恩地 偉仁といったしぶとい左打者もおり、破壊力、粘り強さともに、今年の神奈川でもナンバーワン。ただ投手力に不安があり、3年ぶりの甲子園出場を果たすためには、打ち勝つチームを目指していきたいところ。そのためには安定した守備を大会通して貫くことができるか。
また橘は、アレセイア湘南と霧が丘の勝者との対戦が決まった。パンチ力のあるショート・福田 耕平、好投手相手にも振り負けしない肥後 洋輝を中心とした強打が最大のウリ。強豪校相手にも恐れずに果敢に向かっていく姿勢を貫くことができれば、この夏も躍進が期待できるだろう。課題は内外野の守備の安定感。緊張感のある夏を想定してどこまでレベルアップできるか。