中京大中京の強さが新チームでも光る!この夏愛知で存在感を発揮したチームは?【後編】
今年の高校野球界は、新型コロナに見舞われた。愛知県でも、中京大中京が代表を決めていたセンバツをはじめ春季大会以降、夏の選手権も中止となってしまった。
そうした中で、夏は愛知県の独自大会が開催され秋季大会は何とか、当初の予定をこなすことが出来た。そして、甲子園の交流試合含め、中京大中京の活躍が光った1年となった。
本編は、そんな愛知県の2020年の高校野球を振り返る後編である。
前編はこちらから!
中京大中京が公式戦無敗で終わった愛知の2020年を総括【前編】
辞退を余儀なくされた東邦。連合の活躍も目立つ
2度の降雨中止を経験した中部大春日丘
大府も、一部名古屋市勢も絡んでいた知多ブロックで5回戦は半田を倒すなどして勝ち上がっていき面目躍如した。一方で、このゾーンですべての学校が目標としていた東邦が大会途中で校内の被コロナ発生で辞退を余儀なくされたのは残念だった。
また、加茂丘・衣台の連合チームが安城農林、豊野、安城南といったところを下してベスト16に進出したことも話題となった。岡崎工に4対3と競り負けたものの、ここまで勝ち上がった矢田 拓君のトリッキーな投球は高く評価されていいであろう。
また、守りも大崩れすることなく、連合チームとは思えないまとまりの良さだった。「選手同士はこっちが思っていた以上に仲が良く、野球以外でもいろいろ交流を持っていっていたのもこうした結果に繋がっていったのではないか」と、指揮を執った柴田 勇人・加茂丘監督も称えていた。
また、今年度末で廃校となる愛知新城と新城東が1回戦で対戦。雨で2時間28分の中断を挟みながらも戦い切り新城東が10対5で制した。
雨と言えば4回戦では中部大春日丘と名古屋市立工の対戦が2度までもプレーボール後に降雨中止。3度目の正直で中部大春日丘が延長の末に振り切るということもあった。
[page_break:交流試合に出場の中京大中京。ドラフト指名選手の活躍にも期待]交流試合に出場の中京大中京。ドラフト指名選手の活躍にも期待
中京大中京・畔柳
こうして、コロナ禍の厳しい中でも夏季大会は最後まで開催することが出来た。さらには、その後に甲子園で予定されていたセンバツ出場校に与えられていた甲子園交流試合にも中京大中京は出場。
甲子園でも夏季大会の疲れを見せることなく、強豪智弁学園と好試合を展開。延長タイブレークの末に4対3でサヨナラ勝ち。チームは、新チーム結成以来公式戦28連勝負けなしという形で締めくくった。
もしセンバツと夏の選手権が予定通りに開催されていたら、ひょっとして快挙を達成していたのではないかと思わせるくらいのチームの充実ぶりだった。
その中京大中京の新チームは、秋季大会の名古屋市二次トーナメントで星城に敗れた。しかし、その後ノーシードで出場した県大会では初戦で名古屋国際を下し、2回戦で星城に雪辱。準決勝では至学館を下し決勝ではライバル東邦も倒して2年連続優勝を果たした。
新エースとなった畔柳 亨丞君も全国的に注目される存在となっている。2021年へも期待は広がっていきそうだ。
なお中京大中京からは、去る10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議で高橋 宏斗君が中日から1位指名、中山 礼都君が読売から3位で指名を受けている。
ドラフト指名ということで言えば豊橋中央の中川 拓真捕手がオリックス5位、享栄の上田 洸太朗投手が中日の育成2位として指名されている。それぞれの活躍を期待したい。
(記事:手束 仁)