3季連続の甲子園を狙う習志野、千葉ナンバーワン右腕・篠木擁する木更津総合など秋の千葉も序盤から激戦か
9月21日から開幕する秋季千葉県大会だが、今回はいつもと状況が違う。
千葉県は台風15号の影響で、各地で停電・断水。県大会に出場する学校の中にも、バックネット、球場施設が損傷した情報を耳にしている。今もなお、不自由さを感じながら生活している球児もいることだろう。だが、ひたむきにプレーする姿が千葉県民を勇気づけるはず。そんな球児たちが関東大会を目指して戦う今大会の見どころを紹介したい。
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第72回 秋季千葉県高等学校野球大会
敬愛学園・木更津総合ブロック
千葉県の最注目右腕・篠木健太郎(木更津総合)
このブロックは実力校が集まっており、序盤戦からハイレベルな戦いが期待される。
実力校・敬愛学園と対戦する夏ベスト8の市原中央は経験者が多く残る。入口翔太、伊藤駿介、兼岡守と投手陣が残り、打者では捕手・小関寛太、中堅手・野関大地とセンターラインの選手も残る。秋でも夏で見せた粘り強い戦いを見せることはできるか。
そして西武台千葉と中央学院の実力校対決も見逃せない。中央学院は1年生ながらこの春から県大会で登板した右腕・細谷 怜央の成長に期待。2年生では勝負強さを秘めた巧打者・青木 優吾、松山 大悟、加藤 公翔の好打者トリオと経験者は揃っている。そこに中央学院らしい機動力を織り交ぜた攻めを見せることはできるか。
また日体大柏も同ブロックに入る。140キロを超える速球を投げ込む大型右腕・箱山 優の成長に期待だ。
夏ベスト4の木更津総合は146キロ右腕・篠木健太郎、左腕・吉鶴 翔瑛、打線では巧打者の山中海斗、スラッガー・斎藤匠も残り、この秋も関東大会を狙える布陣だ。初戦は第8ブロックの実力校・袖ヶ浦と対戦する。また同ブロックでは、千葉明徳、千葉日大一、東海大浦安、八千代松陰と実力校がひしめく。
習志野・銚子商ブロック
経験豊富な技巧派左腕・山内翔太(習志野)
3季連続の甲子園出場が残る習志野は芝浦工大柏と対戦。今年は技巧派左腕・山内翔太、千葉県屈指の遊撃手・角田勇斗と前チームからの経験者が多く残る習志野。試合運びの上手さから見ても、やはり今年の優勝候補に挙がるチームだろう。
しかし同ブロックでは強打の市立船橋と毎年好チームを鍛えあげる県立船橋。また一次予選では東京学館浦安を破り、試合運びの上手さが残る松戸馬橋に、千葉黎明も投打でセンスが高い千葉汐凱が残る。
そして成田には全国レベルの強打強肩の捕手・古谷将也、スラッガー・松本 憲信。さらに140キロを超える速球を投げ込む根本 優輝など選手のポテンシャルの高さは習志野にひけをとらないものがある。その成田は先日の台風15号で野球場が被災にあった。この状況を乗り越え、関東大会出場を目指す。
前チームでは秋、春ともにベスト4に入った銚子商。スタッフ曰く「能力値でいえば、今年のほうが高い」と評判だ。なかでも細身ながら本塁打を打てるショートストップ・常世田翔太の進化に注目だ。初戦は千葉経大附と対戦。元西武の打撃コーチの森博幸監督、今年3月まで山梨学院の部長だった松崎将部長のタッグで復権を目指す千葉経大附はさすがと思わせる戦いを見せることはできるか。
[page_break:東海大市原望洋・専大松戸ブロック/千葉学芸・拓大紅陵ブロック]東海大市原望洋・専大松戸ブロック
深沢鳳介(専大松戸)と竹内 将悟(拓大紅陵)
このブロックは中堅校が揃った。
検見川対多古、船橋芝山対東金の対決など、どこが勝ち進んでもおかしくない。このブロックで注目なのは夏ベスト16の東海大市原望洋、夏は4回戦敗退も専大松戸。特に専大松戸はスラッガー・吉岡 道泰、好左腕・西村 卓真の経験者、そして地区予選で背番号1を背負った深沢鳳介に注目だ。
千葉学芸・拓大紅陵ブロック
夏ベスト16の千葉学芸は1年生スラッガー・有薗直輝、138キロ右腕・小芝永久など夏経験者が多数で、この秋も上位進出に期待がかかる。同ブロックでは千葉敬愛と志学館、千葉英和対千葉商大付の対決に注目。
また流通経済大柏は夏の大会で登板した金子直樹、峯田青の1年生投手コンビが残り、さらに4番・高橋遼平も夏からの進化に期待だ。
そして千葉商と対戦する拓大紅陵は140キロ右腕・竹内 将悟がこの秋、エースとして成長中。バットコントロールの良い永渕 寿弥と能力の高い選手が揃っており、今年は上位進出も期待できる布陣だ。
文=河嶋 宗一