第91回センバツ出場校が決まる!注目が集まった各地区の選考を振り返る!
左上:札幌大谷 左下:横浜 右上:龍谷大平安 右下:国士舘
1月25日、第91回選抜高等学校野球大会(3月23日開幕)の出場32校が決まった。今回は各地区の選考の経過を振り返っていきたい。
【21世紀枠】・・3枠
- 茨城
- 石岡一
- 茨城大会ベスト4・初出場
- 徳島
- 富岡西
- 四国大会ベスト4・初出場
- 熊本
- 熊本西
- 九州大会ベスト8・初出場
【北海道地区】・・2枠(うち1枠は明治神宮大会枠)
- 県
- 高校名
- 北海道大会の成績・出場歴
- 北海道
- 札幌大谷
- 優勝・初出場
- 北海道
- 札幌第一
- 準優勝・2年ぶり3回目
新チームになり、北海道は天候不順、地震の影響もあり、投手陣の調整が遅れが目立った。その中で全道大会決勝戦は札幌同士の戦いとなり、札幌大谷が初優勝。劣勢になってもあきらめない姿勢が評価された。また投手陣では本格派・西原健太投手、右サイドスロー・太田流星投手の実力も評価された。また札幌大谷と競った札幌第一が選出された。
【東北地区】・・2枠
- 県
- 高校名
- 東北大会の成績・出場歴
- 青森
- 八戸学院光星
- 東北大会優勝・2年ぶり10回目
- 岩手
- 盛岡大附
- 東北大会準優勝・2年ぶり5回目
八戸学院光星はエース・後藤丈海投手の安定感ある投球、そして上位下位と切れ目ないの打線が評価された。選出された盛岡大附は主戦投手の安定感、さらにクリーンナップの破壊力が評価され、選出に至った。
【関東・東京地区】・・6枠
- 県
- 高校名
- 関東大会及び東京都大会の成績
- 神奈川
- 桐蔭学園
- 関東大会優勝・16年ぶり6回目
- 埼玉
- 春日部共栄
- 関東大会準優勝・5年ぶり3回目
- 山梨
- 山梨学院
- 関東大会ベスト4・5年ぶり3回目
- 千葉
- 習志野
- 関東大会ベスト4・ 10年ぶり4回目
- 東京
- 国士舘
- 東京都大会優勝・10年ぶり9回目
- 神奈川
- 横浜
- 関東大会ベスト8・5年ぶり16回目
桐蔭学園はエース伊礼投手の丁寧な投球と粘り強い攻撃を評価され、関東1枠目となった。春日部共栄はエース村田賢一の投球を高く評価された。山梨学院はエース・相沢 利俊の粘り強い投球、破壊力抜群の打線の中心で、2試合連続本塁打を放った野村健太の打力を高く評価された。習志野はタイプが違う投手起用を使い分け、勝ち進んだ試合運びぶりが評価された。特に延長14回まで及んだ桐生第一戦の戦いぶりもプラスとなった。10年ぶり東京優勝を勝ち取った国士舘は突出とした選手がいなくても勝ち進むチームワークぶりが評価された。
関東5枠目は横浜、東京2枠目は東海大菅生の争いとなり、比較した結果、横浜が選出された。及川投手の持ち味である最速153キロの速球、鋭いスライダーと、ポテンシャルの高さ、三振奪取能力が評価され、大会全体通して激戦の神奈川を制したところが大きく評価された。個人の能力をこれほど高く評価された例はあまりない。及川は関東大会では10.1回を投げて15奪三振を記録しているが、与四球に限っては9。それでも及川のポテンシャルの高さを評価された。
関東大会準々決勝でコールド負けからの敗退は例年ならば落選ケースに当たるが、それでも選ばれたというのは及川に対する期待が高いということだ。及川はその高い期待に応えるしかない。
【北信越地区】・・2枠
- 県
- 高校名
- 北信越大会の成績
- 石川
- 星稜
- 北信越大会優勝・2年連続13回目
- 福井
- 啓新
- 北信越大会準優勝・初出場
絶対的なエース・奥川恭伸擁する堅実な守備力とつながる打撃がかみあった星稜が選出。圧倒的な強さとレベルの高さを評価された。特に奥川は33回投げてきて自責点0と完璧なピッチングを見せた。選考委員会からは打線が強化されれば、全国制覇も期待できるという高評価ぶりだった。初出場の啓新は粘り強い投球を魅せた投手陣が活躍を見せ、快進撃の原動力となった。突出とした能力は無いものの、まとまりのあるチーム力も評価の基準となった。
【東海地区】・・2枠
- 県
- 高校名
- 東海大会の成績
- 愛知
- 東邦
- 東海大会優勝・2年連続30回目
- 三重
- 津田学園
- 東海大会準優勝・17年ぶり3回目
東邦は投手レベルも高く、3試合連続で二桁安打を記録。準決勝の中京学院中京戦で9回裏で5点差を追いつき、さらに延長10回表に勝ち越しを許した後も逆転サヨナラしたことが評価された。打率6割を超える石川 昂弥の投打ぶりも評価された。2校目は津田学園、中京学院中京と比較となり、投手力で津田学園が上回った形となった。
【近畿地区】‥6枠
- 県
- 高校名
- 近畿大会の成績
- 京都
- 龍谷大平安
- 近畿大会優勝・2年ぶり41回目
- 兵庫
- 明石商
- 近畿大会準優勝・3年ぶり・2回目
- 大阪
- 履正社
- 近畿大会ベスト4・2年ぶり8回目
- 和歌山
- 智辯和歌山
- 近畿大会ベスト4・2年連続13回目
- 京都
- 福知山成美
- 近畿大会ベスト8・5年ぶり 3回目
- 和歌山
- 市立和歌山
- 近畿大会ベスト8・3年ぶり6回目
近畿優勝1枠目は龍谷大平安。打線の力強さ、機動力を絡めた攻撃のバリエーションの広さ。守備力も高く、全国でも上位に入れる評価となった。明石商は好投手・中森俊介、宮口大輝の二枚看板、俊足強打の1番・来田涼斗選手。状況に応じた攻撃ができる。全国でも上位に入れるチームと評価された。
履正社はエース左腕・清水大成が準々決勝の福知山成美戦で完封したことが大きく評価され、着実に捕手の野口海音を中心とした安定感のある守りが評価された。
智辯和歌山は準決勝で5回コールド負けを喫したが、攻撃面では旧チームから主力が残り、試合ごとに成長し、厚みのある打線が評価された。守備面では東妻、西川を中心に1年生投手陣をまとめていったことも評価された。
5校目は福知山成美。制球力抜群のエース・小橋のピッチングが評価され、さらにはセンターラインを中心とした高い守備力も決め手に。
6校目は市立和歌山。多彩な変化球を操り、マウンド度胸も良い左腕・岩本 真之介。攻撃面では好打者を中心にエンドランを確実に点を重ねる攻撃が強みで、守備ではセンターラインを粘り強く守れる。またチーム一丸となって選手意思疎通が取れていることも評価していた。準々決勝の龍谷大平安戦は最後の最後まで粘り強い戦いを見せたことも選出の決め手となった。
【中国地区】・・3枠
- 県
- 高校名
- 中国大会の成績
- 広島
- 広島広陵
- 中国大会優勝・6年ぶり24回目
- 鳥取
- 米子東
- 中国大会準優勝・23年ぶり9回目
- 広島
- 市立呉
- 中国大会ベスト4・2年ぶり2回目
【四国地区】・・2枠
- 県
- 高校名
- 秋季大会(県・府)の成績
- 香川
- 高松商
- 四国大会優勝・3年ぶり・27回目
- 愛媛
- 松山聖陵
- 四国大会準優勝・2年連続
中国1枠目の広島広陵は投打にレベルが高く、ヒットエンドラン、バスターと多彩な攻めで得点を重ねる攻撃力。守りでは最速147キロを計測するエース・河野、変化球の精度が高い左腕・石原を中心安定した戦いを評価された。米子東は高校生らしいキビキビとした戦いぶりや打力も評価。
四国1枠目の高松商は走攻守のバランスがとれた好チーム。キレのあるチェンジアップを武器に緩急をうまくエース・香川のピッチングも評価の決め手に、また粘り強い戦いを見せた松山聖陵も選出された。中四国5枠目は市立呉と高知商の争いとなり、市立呉が選出された。
市立呉の投手力の差が決め手となった。米子東戦では惜しくも敗れたものの、タイブレークに持ち込んだ戦いぶりが評価された。
【九州地区】・・4枠
- 県
- 高校名
- 秋季大会(県・府)の成績
- 福岡
- 筑陽学園
- 九州大会優勝・初出場
- 大分
- 明豊
- 九州大会準優勝・10年ぶり3回目
- 大分
- 大分
- 九州大会ベスト4・初出場
- 宮崎
- 日章学園
- 九州大会ベスト4・初出場
投打の総合力で優勝した筑陽学園、準優勝した明豊は全会一致で選出。残り2校は大分、日章学園、興南との争いになり、まず大分は切れ目のない打線と守備力の高さを評価。4枠目の日章学園は不安な投手陣をカバーする攻撃力が評価され、また準決勝ではコールド寸前となったが、そこから持ち込んで9回まで粘り強い戦いをしたことが選出の決め手となった。選考委員は投手陣強化を課題に挙げていた。