【中国大会展望】甲子園経験組が今年の中国を熱くする!出場16チームの注目選手を徹底ガイド!
今大会の軸は下関国際
10月27日に開幕する第129回秋季中国大会。各出場校の戦力紹介を交えながら、大会の展望を行いたい。先ず出場校は以下の通り(並びは左から県大会での順位)。
広島:盈進、広島国際学院、瀬戸内、尾道
岡山:岡山学芸館、倉敷商、おかやま山陽
山口:下関国際、高川学園、下関西
島根:開星、石見智翠館、益田東
鳥取:米子松蔭、鳥取城北、鳥取商
今大会の軸となりそうなのが下関国際(山口1位)。エースナンバーを背負う鶴田 克樹をはじめ、主将の濵松 晴天、甲山 達也らレギュラー中7人がスタメンで今夏の甲子園を経験(試合レポート)。鋭く強いスイングを見せる打者が下位までズラリと並ぶ打線は圧巻。経験豊富な充実の戦力で2季連続の聖地へ視界良好だ。
この下関国際と初戦を戦うのが2年連続の秋季中国大会出場となる益田東(島根3位)。旧チームでもレギュラーを務めた遊撃・首藤 舜己を中心にセンターラインが強固。ロースコアの展開に持ち込み、一発長打を狙える稲林隼人ら攻撃陣の援護を待ちたい。
下関国際と同じく、夏秋連続で県制覇を果たしたのが開星(島根1位)と米子松蔭(鳥取1位)。両校ともに「甲子園経験サウスポー」が健在なのが大きな強みだ。開星は低めに変化球を集める実戦的投球が持ち味の中村 優真、米子松蔭は今夏の甲子園・大阪桐蔭戦(試合レポート)でも落ち着いたマウンド捌きを見せた辰己 晴野が新チームでもエースナンバーを背負う。両投手ともに試合の中での修正能力に長けているのも他校にとって脅威となりそうだ。
杉本涼(開星)
甲子園経験組の活躍にも注目!
開星は1番を打つ杉本 涼、主将・山根 良太の甲子園経験組はもちろん、1年生で遊撃を守る田部 隼人ら新戦力も台頭。投打充実の布陣で2年ぶりのセンバツを狙う。
開星に対するのが下関西(山口3位)。小柄な身体をダイナミックに使ったフォームから大きく曲がり落ちるタテのスライダーを繰り出すエース右腕・吉田 勇輝がチームの中心。4番も兼務するエースのパフォーマンスが命運を握る。
米子松蔭は瀬戸内(広島3位)と初戦を戦う。東大翔、新保利於ら左打者陣に好素材が揃う瀬戸内。大会屈指の左腕・辰己をどう攻略するか。注目だ。
岡山学芸館(岡山1位)は強力な攻撃陣が自慢。岡山学芸館は知念 大輔、倉川 太輝らが中心の切れ目のない打線。岡山県大会決勝(試合レポート)ではオール単打で18安打をマークしたように低く強い打球を放てる打者が揃う。エース右腕・金村 尚真、野手兼務の左腕・倉川 太輝と旧チームでの登板経験も豊富な2投手を擁し、投手陣も強力。投打が噛み合えば2001年以来のセンバツ出場に駆け上がる可能性は十分。
岡山学芸館を迎え撃つのが高川学園(山口2位)。キレのあるクロスファイアーで攻める左腕・浦上 龍斗、インサイドアウトの軌道で振り抜ける打も兼備の右腕・佐伯 亮太朗ら豊富な投手陣で勝負。両校ブルペン陣が厚いだけに、起用の順番、継投のタイミングが勝負を分けそうだ。
3位決定戦で創志学園との乱打戦を制し、中国大会出場を決めたおかやま山陽(岡山3位)も高い攻撃力が光る。3番森下 浩弥を筆頭に強く振り抜ける打者が揃い、ビッグイニングを作る繋がり、勢いも感じさせる。
対する石見智翠館(島根2位)も島根県大会決勝で怒涛の三者連続二塁打を叩き出した松浦 諒太郎、川向 怜慈、西村 向陽の強力クリーンナップを中心に打線が活発。鋭いターンの牽制、鮮やかなフィールディングを見せるエース靏仁を早めに援護したい。
[page_break:初日から大会ナンバーワン右腕vs広陵キラ―の対決が実現!]引地秀一郎(倉敷商)
初日から大会ナンバーワン右腕vs広陵キラ―の対決が実現!
大会初日に実現した盈進(広島1位)と倉敷商(岡山2位)の一戦は初戦屈指の好カード。
広島県大会を制した盈進は下江 秀弥と濱岡 拓海の二枚看板が強力。3回戦で甲子園準Vメンバーが残る広島広陵を完封した下江はインステップ気味のフォームから投じる直球、キレの有るスライダー、濱岡は左右関係なく打者の内角を厳しく攻め切れる制球力とそれぞれ異なる持ち味が広島県大会では光った。打線も準決勝、決勝の二試合連続で二桁安打をマークしており、攻守のバランスの良さは出場16校の中でもトップクラスだろう。
倉敷商は「大会NO.1右腕」の呼び声高い引地 秀一郎がチーム浮沈のカギを握る。150km/hに迫る速球を投じる右腕が広島王者に対してどんなピッチングを見せるか。見逃せない一戦となりそうだ。
広島国際学院(広島2位)は角度で勝負のエース岩嵜 竜也、真っ直ぐで押せる平田 翔真らの継投がキーポイント。対する鳥取商(鳥取3位)は4番田中 翔馬を中心に豪快なスイングが光る。鳥取県大会3位決定戦で22得点を叩き出した打線がそれぞれタイプの違う広島国際学院投手陣にどう対応していくか。こちらも注目だ。
尾道(広島4位)は広島県大会でのベンチ入り20人中14人が1年生の若いチーム。スライダーを軸にゲームを組み立てられるサイドスロー右腕・藤井 亮輔らを中心に地元・尾道が主会場となる今大会で「悲願」の初甲子園を掴めるか。初戦で相対する鳥取城北(鳥取2位)はやや捻りの入った独特なリズムで投げ込む左腕・浦林 直哉の高い三振奪取能力が光る。中軸に座る1年生・山田 椋一の逆方向に強く飛ばせる打撃にも注目。
来春のセンバツで中国地区に与えられた出場枠は3校。春の切符をかけ、備後の地を舞台にどんな熱戦が繰り広げられるか。27日の開幕を楽しみに待ちたい。
(文・井上 幸太)
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