補食
第31回 補食2011年02月01日
練習直後は炭水化物とアミノ酸を摂ろう。
おにぎりパワー
毎日寒い日が続きます。体調を崩さずに頑張っていますか。2月になりましたね。冬のトレーニングも残り1カ月ちょっとといったところでしょうか。
さて、先日サッカー日本代表でザッケローニ監督から『おにぎり指令』が出たと話題になりました。試合直後に、「おにぎり2個(しかも、かなり大きいとか?)とアミノ酸飲料を同時に摂取するように」というものだとか。
スポーツ選手にとっては、『間食=補食』ととらえましょうというお話は以前にも書いたことがあります。
あくまでも、食事では一度に摂れない栄養素や練習によって不足してしまう栄養素を上手に補うために摂ってほしい食事です。では、今回話題になった『おにぎり』。なぜおにぎりなのでしょう。そしてなぜ『アミノ酸と一緒に』なのでしょう。
おにぎり(飯)には炭水化物が多く含まれています。(参考:第3回コラム「炭水化物」)よって、試合(練習の場合も同様)で枯渇したエネルギーを補う役目があります。アミノ酸はどうでしょう。アミノ酸は、たんぱく質を作っている最小の成分です。(参考:第4回「タンパク質」・第5回「タンパク質2」)つまり、摂取することで筋肉の破壊
を抑制する・破壊された筋肉を修復する役割があります。
たんぱく質やアミノ酸は、エネルギーが枯渇しているとその働きをせずエネルギー源に変わってしまいますから、まずはエネルギーの補給…つまり「おにぎり」、そして筋肉の修復を促進するために「アミノ酸飲料」というわけです。また、たんぱく質の合成が促進される(筋肉を作るのに欠かせない)成長ホルモンの分泌は運動後15分がピークで急速に減少していくというデータもあるため、「運動直後」というタイミングも重要になってきます。遅くても30分以内には摂取したいですね。
さて、みなさんはどうでしょうか。練習直後に何か摂取していますか。できることなら炭水化物とたんぱく質を『運動直後』という成長ホルモン分泌のゴールデンタイムを逃すことなく、摂取したいですね。
ゴールデンタイムを片づけなどで逃してしまう選手も少なくありません。指導者の方々にも、ぜひご理解いただき摂取の時間をとっていただけると嬉しいです。また、寮生活などですぐに食事提供ができる環境にある場合は、軽食などのサポートをいただけるとありがたいですね。
(文=鎌倉 彩)
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