現在の滋賀県は近江滋賀学園の2強が牽引するが、夏3回、センバツ3回の甲子園出場を果たしている県立校・北大津の復活が大いに期待されている。

 そんな今年の北大津は戦力が揃い、躍進も期待できる顔ぶれとなっている。指導者、選手に共通する思いは「強豪・北大津復権」だ。

環境面、取り組み面から復活の兆し


 京都駅からJR湖西線で20分ほどの距離にあるおごと温泉駅。ここが北大津の最寄り駅となる。住宅街の中にある北大津高校は運動部が活動する広大なグラウンドがあり、野球部は練習試合もしっかりとできる恵まれた環境にある。

 さらにネット裏の近くにいくと、設備が行き届いていることが分かる。まずネット裏には観覧席があり、屋根付きのブルペン、ネット裏の2階建ての小さなプレハブ施設には、2階は応接室、1階は冷蔵庫、洗濯機など選手にとっては嬉しい設備が多い。手作り感満載の設備。こうした施設には寄贈されたOBの名前が刻まれている。躍進を遂げた先輩たちが後輩たちのために環境を整えてあげたい思いが伝わってくる。

 寺嶋監督は「野球がうまくなりたい選手、とことん練習に取り組みたい選手にとっては理想的な環境」と話す。寺嶋監督は膳所高校出身。京都教育大卒業後、愛媛マンダリンパイレーツでプレー。現役時代は内野手として活躍した。かつては上位争いを繰り広げていた北大津だったが、強豪・北大津を作り上げた宮崎 裕也監督の退任後は勢いを落とし、それに伴い部員も減り、昨年卒業した3年生はわずか2人しかいなかった。

 そんな中、強豪復権のために尽力したのが寺嶋監督をはじめとしたスタッフ陣である。選手との距離感も近く、全体練習後の個人練習で寺嶋監督は打撃投手となり、選手に打撃指導を行い、守備の個人練習では現役時代、内野手として活躍した寺嶋監督が実演し、軽快な守備を見せ、お手本を示している。

 また、上林 裕樹部長が投手を担当し、投手の適正に合わせ、技術指導。各スタッフも選手の技術練習や個人練習に付き添いながら指導を行っている。

 練習試合でも強豪校と練習試合を行える環境にあり、今年の3月では済美高校など四国の強豪校、さらにセンバツ前では中京大中京とも練習試合を行った。

 強豪校と練習試合をしながら、全国レベルの学校はどういうレベルにあるのかを触れることができる。選手がその気ならば、浮上できる要素は備わっている。

 そしてキーとなる選手はレベル、意欲ともに高いのだ。