秋の奈良大会で3位となり、来春のセンバツの21世紀枠推薦校に選ばれた畝傍(うねび)。県内有数の進学校で、昨年度は現役浪人併せて京大に6人、阪大に30人の現役合格者を輩出した。野球部も阪大、神大、大阪市立大など難関国公立で野球を続ける選手が多く、文武両道を実践している。

 いかにして勉強と野球を両立しているのだろうか。そのヒントを探るべく、取材に伺った。

8割が塾通い。短期集中の練習


 橿原市にある畝傍は1896年に創立された伝統校。レトロな雰囲気を醸し出す校舎は登録有形文化財に指定されている。

 グラウンドは内野こそ黒土だが、レフトが極端に狭く、サッカー部、ラグビー部、陸上競技部と共用で内野部分しか使えない日もある。取材日もグラウンドの3分の1のみを使用しての練習だった。

 そのため、外野手はポジションについてノックを受けることができず、1ヶ所でゴロや定位置より前のフライを処理していた。フリー打撃もできないため、グラウンド端にある鳥かごでマシンのボールを打つのが基本となっている。

 また、19時半までに下校することが暗黙の了解となっているため、1日の練習時間は2時間半程度。約8割の選手は塾に通っており、練習後に塾で勉強する選手も少なくない。時間と場所が限られた中で力をつけるために必要なことは集中力だと今年8月に就任した同校OBの駒井彰監督は話す。

 「授業が終わったらすぐグラウンドに出ることですね。練習の間も迅速に行動する。短い時間ですけど、集中してやる雰囲気を作るということですね。外野の守備は試合と同じようにできないですけど、後ろの打球は前の方に守ることで後ろの打球を練習しています。練習試合は土日にこなしながら、失敗したり、上手くいったことをみんなで共有しながら一つ一つ力を高めていくことにみんなで意識を強く持っています」

 この日は16時に練習が始まり、18時過ぎには練習を終えてグラウンド整備に入っていたため、2時間ちょっとの練習時間だった。その中で時間ごとに練習メニューを区切り、スムーズに次の練習に移っていく。3時間以上グラウンドにいたのではないかと思ったほど、濃密で無駄のない練習を行っていた。

 時間を有効活用するのは勉強も同じ。主将の若松慎太郎(2年)は「休み時間であれば5分でも単語帳を見たり、家に帰ってからは30分でもいいので勉強する習慣をつけるようにしています」と隙間時間を上手く使うことを心がけているそうだ。野球も勉強も時間を大切にする。こうした意識が高いレベルでの文武両道を実践しているのだと取材を通して実感した。