第526回  ハングリー精神でさらなるチーム強化目指す 昭和第一学園(東京)【前編】2018年12月27日

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【目次】
[1]環境ハンデに負けずハングリー精神で戦う
[2]投手軸に・守り勝つチーム作り

 今秋の東京都大会は国士舘が10年ぶりの優勝を果たした。その国士舘が、決勝戦東海大菅生戦と共に苦戦したのが二回戦昭和一学園だった。高校野球としてはまだあまり知られていない存在かもしれないが、近年着実に力をつけてきており、強豪校にとっても油断ならない存在となっている。
 高校時代には甲子園出場経験もあり、東京六大学、社会人野球と高いレベルの野球を経験してきている。社会人のシダックス時代には元ヤクルト、楽天などを率いた名将野村克也元監督の薫陶も受けている。そうした野球が徐々に選手たちに浸透してきた成果でもあろう。そんな昭和一学園を訪ねてみた。

環境ハンデに負けずハングリー精神で戦う



昭和第一学園野球部

 東京都の西、多摩地区の大都市立川市。そのメイン繁華街となる立川駅の北口からバスで10分ほど、あるいは多摩都市モノレールで二駅の立飛駅から徒歩で10分ほどの住宅街の一角に、昭和一学園の校舎がある。そして、校舎に隣接し2018年2月に張り替えられたばかりだという人工芝が敷き詰められたグラウンドがある。左翼は70m弱で左中間の膨らみはないが中堅は120m、右翼線は96mとることが出来る。

 とは言え、グラウンドそのものは野球部専用とはなっていない。通常は授業が終了して、15時30分から練習開始となるが、平日は最初の2時間は全体の4分の1面くらいしか使用出来ない。つまり、ダイヤモンドの内野部分のみが使用可能ということになる。従ってその時間はマシンを使ってのバント練習や倉庫前での筋力トレーニング、使用可能なグラウンドの隙間を見つけてのティーバッティングや素振りがメインとなってしまう。

 そして、17時30分からは火曜と金曜が半面、水曜と木曜は全面使用できるので、その時に走者をつけてのシートノックや連携プレーなどを、完全下校となる20時まで、みっちりやるという方針だ。

 こうした必ずしも恵まれているというわけではない環境だ。それでも、2014年に就任した田中善則監督は、「都内では、校舎に隣接してグララウンドがあるということだけでも、授業が終了してすぐに、移動時間なしで練習に取り組めるのはいい方」と、環境に対しては嘆くというよりも、積極的に受け入れていこうという姿勢だ。

 田中監督は1984年に法政一(現法政大高)で春夏の甲子園を経験し法政大を経て、その後は社会人野球の名門たくぎんに進んだ。しかし、時代の流れでたくぎん野球部が休部したことで、新たにスタートを切ったシダックスに移籍した。後発のシダックスは企業チームで都市対抗本大会出場を目指してはいたがグラウンドは都内に専用球場を持っていなかった。だから、少年野球などが使用している飛田給の関東村グラウンドを間借りしながら練習に取り組んできていた。それでも、並み居る強豪に伍してきたという自負もある。

 「専用球場を有している、大きな企業チームのグラウンドでオープン戦などをさせていただいた時には、こういう環境のところに負けないぞという意識は、逆にむしろ芽生えていった」という。だから現在も選手たちには、この環境のハンデをバネにしていくことを説いている。

 「遠征などで、専用球場のある所へ窺わせていただいた時は、『ああ、いいグラウンドだなぁ。こんなところでやれたらいいなぁ』と思うだけではなくて、こういう環境でやれているところに、自分たちは負けてはいけない、こういう環境の恵まれているところに勝って行かなくては、甲子園へは行けないんだ」そんな意識を強く持つことで、選手たちのハングリー精神を刺激している。

 「すべてに恵まれているというのではなく、何かが足りない方が、むしろ向上心を刺激していくという意味ではちょうどいいんですよ」と、シダックス時代に自身も体感したことをベースとした考え方でもある。今、与えられている環境で精いっぱい努力していこうという姿勢を浸透させている。

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