目次

[1]好投手なるためのフォーム作り
[2]フォームを作る3つのメニュー例 その1
[3]フォームを作る3つのメニュー例 その2、その3



 浦和学院聖望学園といった強豪私学に加え、公立校の台頭も目覚ましい埼玉県にあって、2015年夏2016年春と3期連続で甲子園出場を果たした花咲徳栄高校。今年広島にドラフト2位で入団した高橋 昂也投手関連記事に代表されるように、プロへ進む選手を育成する点でも評価が高い学校だ。その選手づくり、チーム作りにはいったいどんな秘密が――。

【花咲徳栄の野球部訪問 3回連載】第1回 / 第2回 / 第3回

好投手なるためのフォーム作り

岩井 隆監督(花咲徳栄)

「ピッチャーは完全にフォームです」
花咲徳栄高校の岩井 隆監督はそう語る。

「コントロールはフォームとリリースポイントで決まる。それとスピードを出すには腕の振りの速さと内転筋と背筋の強さ、それに加えやっぱりフォーム。私の師匠は理論派の職人タイプでした。私はコーチとして学ばせてもらって。当時、花咲徳栄は甲子園には出ていないけれどプロ選手は輩出していました。甲子園までは勝ち進めないけど、プロが出るということはやっている野球は間違っていない。だから、今でも私の中で当時の教えがベースになっています」

 花咲徳栄高校はOBに12人のプロ野球選手がいる。特に投手は、品田 操士(1991年近鉄ドラフト3位)、池田郁夫(1992年広島ドラフト7位)、品田 寛介(1993年広島ドラフト6位)と3年連続でプロ投手を輩出した時期もあった。さらに神田 大介(1996年横浜ドラフト5位)、新井 智(ローソンを経て2002年阪神ドラフト9位)、そして昨年、「高校BIG3」と言われた一人、高橋 昂也(2016年広島ドラフト2位)に至るまで計6人もの投手をプロに送り込んでいる。そして、その指導法は稲垣人司・前監督の頃から一貫しているという。いったいどんな育成理論があるというのか。

 花咲徳栄には砂場や綱を利用した独特なトレーニングメニューがある。では、投手メニューはどうであろうか。その一部を教えてくれたのは福本 真史コーチ。岩井監督の下について6年目を迎える福本コーチは、同校が2003年春のセンバツでベスト8に進出した時のエースである。

「ピッチャーの練習方法や育成方法は私の頃から全く変わっていません。私も中学まで野手で、高校からピッチャーになったのですが、稲垣前監督の投手育成理論で作られたピッチャーだと思っています。入学前は119キロぐらいだったストレートの球速が、最後は146~147キロまで伸びましたから」

 冒頭で岩井監督が言ったように、「ピッチャーはフォームである」という考えはチームの共通認識だ。以下、その前提に立ったメニューをいくつか紹介する。