高橋宏斗、中森俊介など2020年の高校生投手トップ9はこの投手たちだ!!
プロ志望届けが締め切られた高校生は過去最多の217名が提出した。今回は粒ぞろいの高校生投手から厳選して9人の高校生投手を紹介したい。
高橋宏斗(中京大中京)
まず今年はドラフト1位~上位に入る投手は3名いる。
今年の高校生ナンバーワンピッチャーへ成長した154キロ右腕・高橋宏斗(中京大中京)。
今年の甲子園交流試合で調子があまり良くない中でも平均球速148キロをマーク。延長10回表に153キロをマークして空振り三振を奪った底力は素晴らしい。
速球だけではなく、140キロ近いスライダー、スプリットの精度の高さは高校生のレベルを超えている。大学進学が決定的といわれていたが、急転直下という形でプロ志望となった。早くもドラフト1位指名が確実視されている高橋宏斗。将来のローテーション候補として是が非でも確保したい逸材だろう。
そして高校1年から騒がれてきた中森俊介(明石商)も完成度が高く、先発タイプ。
最速151キロのストレート、スライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップと多彩な変化球を投げ込み、桐生第一戦でも2失点完投勝利。その試合で平均球速は平均球速143.86キロと高校生トップクラスの球速をマーク。
今年の高校生ではトップクラスに器用な投手だ。高橋のように凄みのある投球を見せるわけではないが、勝てる投球で着実に信頼をつかんでいきそうだ。
そして小林樹斗(智辯和歌山)だ。
この2人に比べてフォームの土台が良い。縦回転で投げられる技術の高さ、145キロ~152キロの速球の勢いは素晴らしく、140キロ前後のカットボール、フォークボールの精度の高さも超高校級。先発・クローザー、どちらでも生きるタイプではないだろうか。
そしてこの3人に続く剛速球右腕として成長してきたのが、山下 舜平大(福岡大大濠)だ。
高校3年間で体重15キロも増量し、ストレートの最速も153キロ。福岡大会ではストレートとパワーカーブのみで、防御率1.82と好成績を残した。タイプ的にはエンゼルスの大谷翔平系の投球フォーム。ストレートの平均球速も高く、140キロ後半の速球をたたき出すが、現在のNPBは二軍の打撃も高レベル化しているため、3人と比べるとピッチングの引き出しが狭く、時間はかなりかかる印象。とはいえ、将来の先発投手候補として育てがいのある逸材であることは間違いない。
今年は150キロを超える速球投手が多く、加藤翼(帝京大可児)は最速153キロを計測する右の本格派。
山本由伸と千賀滉大を組み合わせたようなフォームから140キロ後半の速球、抜群の切れ味を誇るスライダー、カーブを武器に多彩な変化球を投げ込む。マインド面もしっかりしており、ストレッチを欠かさず行い、ウエイトトレーニングなど練習の意味を見出して取り組んでいる姿勢が素晴らしい。そして急激に球速をあげ評価をあげた内星龍(履正社)も山本由伸系の投球フォームから140キロ後半の速球、フォーク、キレのあるスライダーも投げ分け、潜在能力は非常に高い投手だ。
松本隆之介(横浜)
続いて左投手だと松本 隆之介(横浜)、髙田 琢登(静岡商)、根本 悠楓(苫小牧中央)の3人に注目。
松本は188センチの大型左腕。角度良く振り下ろす速球とキレのあるスライダーは勢いがあり、最速152キロまで伸びたが、自粛期間が長く、その速球の勢いが持続しなかったのは残念。
ただ、これほど長身でバランスが良く、キレのあるスライダーを投げる左腕もなかなかいないということを考えると人気になっておかしくない逸材だろう。
高田もこの1年で大きく成長。これまで速球で押す形だったが、スライダー、ツーシームもマスター。
直球一辺倒にならず、引き出しが広がったことで、22.1回を投げて32奪三振と安定感抜群の投球を見せた。平均球速も140キロ台、これほど引き出しが広い高校生左腕もなかなかいない。上位候補に挙がってもおかしくない選手だ。
そして根本は173センチ76キロと上背はそれほど大きくないが、36イニングで50奪三振、自責点は僅か3点。
140キロ中盤の速球と抜群の切れ味を誇る高速スライダーで三振を取る左腕だ。制球力の高さは一級品で、今年の高校生ではピカイチ。精神的にもタフ。人気の投手となりそうだ。