第267回 巨人期待のホープ・湯浅大はなぜ指名に至ったのか 元巨人編成部が語るドラフト指名秘話2020年05月19日

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 野球ファンの間で大人気コンテンツとなっている「ドラフト会議」。ドラフト会議で新人選手を獲得することは、プロ野球球団の骨組みを作って行く上で欠かせないものであり、その成果を高めるため12球団は綿密に戦略を練っている。今回は長年、巨人のスコアラー、編成に関わった三井康浩さんにお話を伺い、当時のドラフト秘話をシリーズ別で掲載。三井さんには育成の星となった増田 大輝と今季、一軍が飛躍を期待される湯浅 大健大高崎出身)の話を聞くと、2人のエピソードは色々参考になるので、1人ずつ紹介したい。
 湯浅のケースは守備型の高校生遊撃手にとってはヒントになる内容だった。

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打撃もプロで化ける要素を持っていたからこそ、指名につながった



三井康浩さん(左)、湯浅大(右)

 まずドラフト1位や上位指名級になると三井さんの説明のように、エース級、もしくは将来の4番打者やレギュラーになる可能性が高い三拍子揃った野手が候補になる。下位の選手は一芸が秀でた選手が対象となる。

「育成選手は特に一芸に秀でた選手、『これなら1軍ですぐに活躍できる』と言う選手。すぐに1軍で使える選手を獲得しますよね
 育成でもジャイアンツのレギュラーを掴んでほしいのが最終目標で、その入り口で守備が上手いから坂本のサブにつけようと考えるケースもありますし、打てるのであれば、左の代打、右の代打として1軍に入れる選手であるかと見極めて獲得を決めていきます。」

 また他球団の兼ね合いによっては本指名することもあるようだ。育成枠だけではなく、下位指名の選手もそういうケースにあたる。

 湯浅 大は守備を高く評価された選手だ。ただそれだけでプロにいけない。まず野手はプロでもやれる最低基準の打力があるかはスカウトを含めた球団が判断する。湯浅の場合、通用すると評価した。

「湯浅は守備型の選手で、対応力が高く、癖のない打撃フォームをしていまして、それが化ける可能性を持っていました。担当スカウトも『伸びしろはかなり持っている』と評価していましたね。身体の強さ、野球センス、能力の高さもしっかりと評価して推薦してくれました」

 下位指名の選手になると、担当スカウトのひと押しが大事になる。湯浅は推薦したいと思わせるだけの能力や姿勢の良さがあった。

「正直、高校生だとあまり接触ができないのですが、掴みにくい部分があります。ただグラウンドで見せる野球の姿勢とかで『これならいけるだろう』と担当スカウトは判断をして推薦をしていると思います。ここまで彼の活躍を見ると、しっかりやってくれていると思います」

 三井さんが話す湯浅の癖のない打撃を見ると、トップに入った時、ヘッドを投手方向に傾けすぎず、インサイドアウトのスイングができる。ロスのない打撃フォームで、レベルの高い投手に対応ができている。

 球団、担当スカウトの目論見通り、湯浅は順調に成長を続け、昨年の2年目で、二軍で67試合に出場し、2本塁打15打点、打率.240に出場。今年3年目は打撃面で急成長。2月22日の北海道日本ハム戦では、浦野博司(浜松工出身)から本塁打を放ち、打率.391の高打率を残しており、担当スカウトの期待に応える活躍を見せている。

 守備型の高校生遊撃手は毎年、ドラフト候補に挙がるが、その分かれ目は打撃面で伸びしろがあるか、厳しいプロの環境の中でも自己研鑽して磨いていける姿勢があるか。まずそこをクリアして、プロ入りの可能性は近づく。

 しかし、成功できる選手の要素、条件について球団、スカウトは知っていても、その見極めはとても難しいし、毎年当たるものではない。

 だからこそ成功すれば、大きなアピールとなる。ぜひ湯浅にはそのサクセスストーリーを実現してほしい。

(記事=河嶋 宗一


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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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