第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップでは清宮 幸太郎に並ぶスラッガーとして注目された安田 尚憲。安田は「海外では自分の打撃ができなかった」というように、打率は.324を残したものの、本塁打なしと厳しい成績に終わった。打率3割残しても、物足りなさを感じるところに、安田の凄みを感じる。この期間中の安田を見て、プロ1年目から壁にぶつかっても克服できる強さを感じた。


オーストラリア戦のサヨナラ安打

 安田は国内合宿3試合3発。木製バットでも、ツボに入れば十分に持っていくスタンドインさせる長打力は持っており、木製バットにはしっかりと順応しているといえる。あとはレベルが高い投手に対応ができるかが、活躍のカギとなっていた。そういう意味で、安田がこの大会でしっかりと工夫しながら打席に立った。
まず振り返ると、安田はU18代表入りが決まってから構えを変えた。グリップを高い位置にしていたのを、低めに構えるようになったのだ。これは力みを取り、投手との距離感を掴むためだ。しかし身長は180センチを超え、140キロ台を超えるツーシームを投げる投手がごろごろいる海外の投手を前に安田は自分の打撃フォームを崩す。

 体が前に突っ込みがちになり、さらに全身に力が入り、体が思うようにコントロールできない。腕を操作できず、打撃フォームを見直し、軸足に体重を乗せる意識で打席に立つようになった。スーパーラウンド後から安田の打撃フォームはだいぶ良くなっていた。トップの位置が安定し、無駄な捻りを入れることなく、振り出してからインサイドアウトに振り抜くことができており、スイングの軌道がだいぶ改善されるようになった。

 確かに満足いく打撃内容ではなっただろう。しかし本大会までの練習試合は3試合。この短い準備期間で、平均して140キロ、速くて150キロを超える海外の投手たちから打率3割を残したのは、評価ができる。さらに大会中に試行錯誤をしながら、自分が打てる形を追求し、スーパーラウンドのオーストラリア戦ではサヨナラ安打を打つなど、自分の形を見つけることができた。「良い経験ができたと思います」と語る安田。安田の意識の高さならば、国内に戻ってからも目的意識をもって練習に取り組んでくれるだろう。

 22日、プロ志望を表明した清宮 幸太郎早稲田実業)と同じくプロ表明した安田。プロ1年目から同期の野手を圧倒するようなパフォーマンスを見せていくのか、注目をしていきたい。

(文=河嶋 宗一

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