目次

[1]秋季大会の敗退が成長のきっかけとなる
[2]鵜飼君への信頼
[3]本来の姿を示せた甲子園

 高校野球ドットコムでお馴染みの現地記者の皆さんが、今年一年、最も輝いていたと思う選手に贈る賞を発表!第二弾は、手束仁記者が表彰!中京大中京鵜飼 航丞選手に、「2017年の最も輝いていたで賞」を贈ります!

秋季大会の敗退が成長のきっかけとなる

 毎打席のように長打が出る、この先どれだけ打つのだろうと思わせてくれた、春季大会の鵜飼 航丞君だった。まさに、名門中京大中京の4番打者にふさわしいというか、それ以上の活躍といってもいいくらいのものだった。
3月にシーズンインとなってからは、好調そのものだった。ことに、春季大会では、打席に立てば出塁、打てば長打といっても過言ではないくらいに打ちまくっていた。本塁打も毎試合のように放っていて、通算本塁打も2年生までは30本そこそこだったものが、一気に40本を超え、50本に手が届く勢いだった。
とはいえ、その頃の打撃の特徴は、低いライナーで外野手の間を抜いていくという弾道で、それが上がっていったり、抜けて伸びていくと本塁打になるというものだった。本人も、「ボク自身は、ホームランバッターというよりは、外野の間を抜いていく中距離ヒッターだと思っています」という自覚だった。

 春からの絶好調の背景にあったのは、前年の秋季大会だった。センバツ甲子園を賭けた東海大会準決勝で、同県の至学館と対戦。試合は9回までリードしていながら逆転サヨナラで屈して、甲子園も逃してしまった。
その試合で逆転された直接の要因は、失策と四球が切っ掛けだったが、「そのことよりも、ボクが再三のチャンスで回ってきていたのに、打てませんでした。どこかで打っていれば、コールドゲームで勝てた試合でした」という悔いが大きかった。
その悔しさを胸に秘めて、一冬、徹底的に振り込んだ。
副主将という立場からしても、自身が身をもってチームを引っ張っていくという姿勢に徹していった。