目次

[1]昨年は17人の甲子園球児を輩出
[2]自立する精神を育む

[3]晩成傾向の強い新チーム


 硬式野球が盛んな関西地方においても全国大会の成績や卒業生の活躍で大きな存在感を残している神戸中央シニア。昨年のリポビタンカップ第45回日本選手権大会ではベスト4に輝いているが、大会での結果以上に目を引くのが卒業生の甲子園出場者数だ。昨年は太田 英毅智辯学園)や後藤 克基滋賀学園)など春夏合わせて17人が甲子園の土を踏んでいる。今年のセンバツにも文元 洸成智辯和歌山)や池田 陵人明秀学園日立)らが出場した。今回は有力高校球児を次々と輩出する神戸中央シニアの育成方法と期待の選手について伺った。

昨年は17人の甲子園球児を輩出


 神戸市営地下鉄の西神南駅から10分ほど歩くと神戸中央シニアの専用グラウンドである共栄第1野球場が見える。さらにそこから車で15分ほどのところにも専用グラウンドの共栄第2野球場・第3野球場もあり、学年ごとに練習を行うことができる。さらにコーチは元阪神の今西和夫コーチなど20人、トレーナー2人と指導陣も充実。このような恵まれた環境で多くの甲子園球児が育ってきた。

 チームを取りまとめるのが山田 高広監督だ。育英高校時代に自らも1992年の春に主将として甲子園に出場し、ベスト8の成績を収めている。その後日大に進学し、1998年に23歳の若さで神戸中央シニアの監督に就任した。就任後は毎年のように甲子園球児を送り出している。山田監督に指導の心構えを聞くと「部員全員に甲子園の道を断念することのないように夢の続きをというのがひとつです。それでなお且つ全国制覇を目指しています。個人が犠牲になるような指導はせずにみんなで同じ練習をしています」と話してくれた。野球少年にとって甲子園は夢舞台。その道を閉ざさないようにするのが山田の指導方針だ。

 昨年は春夏合わせて17人という驚異的な数の選手を送り出したが、その全員がエリートだったわけではない。17人のうち、眞藤 司滋賀学園)や岡野 佑大神戸国際大附)など、約半数の選手はチーム内で控えの選手だった。神戸中央シニアがいくら強豪とはいえ、控え選手が高校でここまで活躍する選手が多いのは珍しい。その背景には体作りを重視する山田監督の指導法があった。「技術は追い求めてもゴールがないので、今は体作りをしっかりやっていくほうが良いです。体作りに関しては全員が平等にできるので食育も含めて力を入れています」と山田監督は言う。中学生は体が大きく成長する年代であり、その時期に体作りを徹底的にすることで高校でも活躍する選手になれるのだ。

 体作りにおいて力を入れているのが加圧トレーニングと食育だ。加圧トレーニングでは専用のベルトを着けて腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニングを行う。食育では1日に3度の補食を行っている。また、定期的に体重の管理も行い、目の見えるところに各選手の体重を記入する仕組みを取っている。