第81回 決勝進出校が、都合8度という山口県のしぶとさ2018年06月07日

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【目次】
[1]私学勢力の台頭による勢力構図の変化
[2]90年代以降の歴史と今後の行方

私学勢力の台頭による勢力構図の変化



2017年夏と翌春に連続出場を果たした下関国際

 2017年夏と翌春に連続出場を果たした下関国際、17年春と15年春の宇部鴻城16年夏の高川学園など、近年はフレッシュな校名が相次いで出場を果たしている山口県勢である。
 もっとも、高川学園はかつては多々良学園という校名で、84年春に一度だけ甲子園出場を果たしている。校名変更は06年で、そこから再度強化されていくこととなった。また、11年夏には柳井学園も初出場。翌年春には、早鞆が春初出場を果たしている。

 いずれにしてもこうした私学勢の台頭は、明らかに勢力構図に変化が生じてきているともいえようか。その最たる理由としては、全国的な傾向に準じて、かつては下関商宇部商岩国などの公立勢が健闘していた山口県内でも私学勢力が台頭してきたということの表れであろうか。

 山口県勢の甲子園での決勝進出回数は8回もあり県勢の通算勝利数も108勝で107勝の岡山県よりも1つ上で20位となっている(2018年5月現在)。昭和30年代には下関商が全盛期となっていて、その時代に多く稼いでいたということもあったであろうか。
 近年は、山口県勢は甲子園ではそれほど買ってはいないのではないかという印象があるので、都道府県勝ち数ランキングでは半分よりも上にランクインしていることにも、少し驚かされる。

 歴史を見てみると、優勝は1958(昭和33)年の柳井と1963(昭和38)年の下関商なのだが1964(昭和39)年夏の早鞆、72年夏の柳井、74年夏の防府商、85年夏の宇部商などが準優勝している。
 宇部商以外は決して常連校という印象ではないだけに、改めて意外な印象を強めているのだろう。しかも共通して言えることは、いずれも必ずしも下馬評が高いという存在ではなかったのにもかかわらず、いつの間にかスルスルと勝ち上がってきて決勝まできてしまって気がついたら準優勝しているというケースだったということだ。

 しかも、それぞれが各都市から出てきているというのも特徴的である。県大会の段階から頭抜けてはいないのに、ねちねちと勝ち上がっていく執念と言っていいだろう。そのあたりは、その昔の長州藩の誇りが意外に力を発揮しているということになるのだろうか。

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下関商 【高校別データ】
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柳井学園 【高校別データ】
山口鴻城 【高校別データ】

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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