第69回 私学4強がそれぞれの力を示すも、微妙に勢力構図も変化し混戦の様相【愛知・2018年度版】2018年05月11日

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【目次】
[1]中京大中京を筆頭に“市内私学4強”が愛知を牽引
[2]愛工大名電の全国制覇から勢力図にも変化が

中京大中京を筆頭に“市内私学4強”が愛知を牽引



愛知の高校野球は中京大中京が中心だ

 愛知県の高校野球の勢力構図を語る場合、やはり通算の甲子園での優勝回数と勝利数も含めて、間違いなく中京大中京の積み重ねてきたものは大きい。数字としては全国一であり、久しく破られない記録でもある。
 中等学校野球時代から中京商として多くの不滅の記録や歴史を作ってきたが、春夏連覇を果たした翌年の1967(昭和42)年に中京高と校名変更している。さらに現在の校名、中京大中京という呼び名となったのは1995(平成7)年からだ。
 中京商時代に春夏合わせて10回の全国優勝を果たしていたのだが、その後、やや低迷時代もあった。それでも、97年春には新しい校名で準優勝を果たして、ようやく全国のファンに認知させることができた。そして、09年には堂林 翔太(広島)投手と磯村 嘉孝捕手(広島)のバッテリーで夏7回目の全国制覇を果たした。なんと、43年ぶりのこととなった。
 ユニフォームも、伝統の立て襟に活字体のデザイン文字から代わって、胸に筆記体で「Chukyo」と書かれているようになったが、2000年を超えて以降、甲子園に安定して出場をするようになって、このユニフォームもすっかり定着してきた。
 いずれにしても、甲子園通算133勝47敗という数字は勝利数で2位のPL学園に37勝差をつけており圧倒的だ。全国制覇11回という数字も全国一である。この数字だけでも、やはり中京大中京が全国一の名門校といっていいであろう。学校には、その実績を示すかのように「栄光室」という部屋がある。優勝旗や代表旗のレプリカなどが所狭しと陳列されている。校名変更から、学校の共学化などの影響もあって、一時的な低迷期もあったが、やはり「天下の中京」は健在である。
 また、中京大中京の浮き沈みを横目にしながら東邦愛工大名電享栄といったところがしのぎを削ってきていたのが愛知県の勢力構図だ。

 戦前の愛知県は最初、愛知一中(現旭丘)がリードして、愛知四中(現時習館)と競っていた感があった。ところが、昭和に入り中京商の台頭で、東邦商、享栄商愛知商の4校が“愛知の4商”と呼ばれるようになった。県内だけではなく、東海地区はもとより全国でも恐れられた。中京商が31年から夏不滅の3連覇を達成し、春は38年に中京商1対0東邦商、41年に東邦商5対2一宮中と二度も甲子園で愛知県同士の決勝を戦ったこともあった。まさに、「甲子園で勝つよりも愛知県で勝つ方が難しい」とまで言われた時代である。
 戦後になると、さすがにそこまでのことはなくなったが、それでも野球王国愛知という立場は変わりなかった。ところが、その一つのピリオドとなったのが、66年の中京商の春夏連覇と翌年の校名変更だったという気もする。

 平成になった1989年、やっと東邦が春に強い伝統の味を見せて48年振り4回目の優勝を果たしている。阪口慶三監督にとっては、77年夏(この時の森田泰弘主将は現監督)、88年春に続いて3回目の決勝進出で、やっとたどり着いた栄冠だった。
 38年間東邦で指導を続けていた阪口監督が、04年夏を最後に勇退し隣県の大垣日大に異動したことは愛知の高校野球地図にも大きな影響を与えるかと思われた。しかし、後任となった森田監督は就任直後の秋季大会で実績を上げ、05年早々に甲子園出場を果たし、甲子園でも2勝してニュー東邦をアピールした。その後は08年夏、14年夏に出場を果たし、16年には春夏連続出場も果たしている。そして18年春も出場を果たしている。東邦としては通算70勝41敗1引き分けという数字を残しているが、ことに春の51勝(24敗)は光る。

 中京東邦と戦前から競い合っていた享栄に新しい勢力としての愛工大名電(名古屋電工→名古屋電気を繰り返して83年より現校名)の4校が“市内私学4強”として現在も愛知県の高校野球の中心である。80年代にはこれに愛知を加えて“市内私学5強”と言われていたこともあった。
 いずれにしても愛知県の高校野球はこれらの名古屋市内の私立高校が圧倒的にリードし続けていた。

【次のページ】 愛工大名電の全国制覇から勢力図にも変化が

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