沖縄を皮切りに、2025年も高校野球の季節がやってきた。8月5日に開幕予定の夏の甲子園を目指して、全国各地の球児たちがここまでの野球人生のすべてをぶつける。この夏の主役になろうとしている選手たちの「今」を各チームの指揮官に迫った。
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夏春連続で甲子園出場を果たした早稲田実を筆頭に、日大三や東海大菅生など西東京は全国有数の激戦区だ。
そんな西東京に突如ドラフト候補として、にわかに話題になっているのが、世田谷学園の坂本勇希だ。通算35本塁打をマークする強打者として注目されており、夏の大会でも活躍が期待されている。
そんなスラッガーを擁して、西東京の頂点を狙う世田谷学園。6日の初戦を前に指揮官・成瀬智監督は、どんな思いで挑もうとしているのか。
期待の世代で目標の甲子園へ
Q.春季大会でのチームの成果について教えてください。
対戦した東海大菅生は主力選手を一部欠いていましたが、投手陣がしっかりしていた。常に甲子園を狙える常連校として、2死からビッグイニングを作れる。秋に対戦した二松学舎大付もそうでしたけど、少ないチャンスを掴んで畳みかけてくる。その経験値の違いを実感することが出来たと思います。
Q.夏へ向けて、チームが取り組んでいることは?
余計な失点からビッグイニングを作らせない。そんな粘り強い守備をずっと意識して着ました。おかげで練習試合は関東の強豪校相手でも5点以内に抑えて勝ち切ることが出来ており、14連勝するくらいチームの状態は上がっていました。
ただコンディションを調整している選手が少しおり、試行錯誤をしています。ですが、それでも大量失点はありません。得点を取り切れずに負けることはあるものの、安定した守備を発揮しています。チームの底上げも出来ていると思いますので、あとは調整中の選手が戻ってくれたらと思います。
Q.夏の大会でのキープレーヤーを教えてください。
坂本勇希はここまで大きく調子を崩すことなく来ています。ホームランは出ていませんけど、夏はプレッシャーが大きくなるでしょうし、マークも厳しくなると思います。その時に四球を選ぶこと、余計な力みを出すことなく、レベルの高いチーム相手にしっかり実力を発揮してほしいです。
あとは野手なら主将である北村琥太郎はもちろん、春季大会では主軸を打っていた宮本 大輝。さらに復調を期待している中野 大輔、粘り強いバッティングが出来る犀川 遼辺りは期待しています。ただ元々戦略や機動力を使うチームですので、打てないときの野球をしっかりやろうと思っています。
それと投手陣はスピードこそありませんけど、打たせて取る投球が出来ます。ですので、継投策で最少失点に抑えて、攻撃に繋げたいです。そういった意味では杉本 倫之介、藤原 晴翔、成瀬 哉柔のタイプの違う3人がそれぞれ役割を果たしてもらって、少ない失点で守り切りたいと思います。
Q.最後に夏の大会に向けての思いを教えてください。
今年は手ごたえがあって期待をしています。下級生から負ける悔しさをはじめ、色々経験している選手たちも多いです。なので、しっかりとメンタルが整っていれば、優勝も狙えると思っています。それくらいの実力があると信じていますので、指導歴40年目を迎えた中で経験してきた1プレーの重みといったメンタル部分と、技術的なところを両方とも大切にしながら練習を重ねてきました。
あとは自分たちの野球をしっかりとやること。チーム力で勝ち上がれるように、指導者として引き出してあげたいと思います。強豪校が多いですが、なんとか東海大菅生に春のリベンジできるように、目の前の相手がどこであっても自分たちの野球を発揮して、目標の甲子園に行けたらと思います。
あとはベンチに入れなかった3年生や応援してくれる関係者の方々への感謝をプレーで見せられるようにしたいです。そのために大会までの残りの期間もしっかり高い意識をもって練習をしたいと思います。
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