沖縄を皮切りに、2025年も高校野球の季節がやってきた。8月5日に開幕予定の夏の甲子園を目指して、全国各地の球児たちがここまでの野球人生のすべてをぶつける。この夏の主役になろうとしている選手たちの「今」を各チームの指揮官に迫った。
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全国各地で夏の大会の抽選会が始まっている中、長崎県は13日に組み合わせが決まった。センバツ出場を果たした壱岐、さらに3連覇に挑む創成館などがしのぎを削る。
4年ぶりの甲子園を狙う長崎商も、そんな学校の1つである。秋はベスト8、春は3位で九州大会出場。九州大会では沖縄尚学を1対0で下すなど、着実に上位進出。そして夏に向けてステップアップしてきた。
いよいよ集大成の夏、もちろん目指すは4年ぶりの全国。指揮官である西口博之監督は、大会を前に、どんな思いで戦おうとしているのか。
守備からリズムを作る長崎商野球で4年ぶりの甲子園へ
Q.春季大会でのチームの成果について教えてください。
まず九州大会まで勝ち進んで、そこで2試合を戦うことが出来たこと自体が大きな収穫、経験だったと思います。しっかりと長崎商の野球を展開してくれて、しかも初戦の沖縄尚学との試合は最高の結果でした。
夏の大会を見据えて、センバツ出場校のどこかに挑戦したいと願っていました。ですので決まったときは正直、「よし来た」という感じでした。選手たちにはロースコアで勝つしかないと話していました。相手に左右それぞれ素晴らしい投手がいましたし、うちは基本的に守備からリズムを作ります。
なので沖縄尚学が相手でも、ランナーを出しても辛抱強く守る。余計な失点を許さない。とにかく前半が勝負だと思って、立ち上がりを意識させました。そうしたら、逆にこちらが先取点を取れたので主導権を握れました。あとは県大会から発揮していた守備からリズムを作る長崎商の野球をやってくれました。本当に夏に向けていい経験が出来たと思います。
Q.夏へ向けて、チームが取り組んでいることは?
沖縄尚学の後、明豊は抑えることが出来ませんでしたが、いいバッターと対戦で来たことも良い経験になったと思っています。そうしたことも含めて、春の大会で積んできた成功体験を通じて高いモチベーションで練習に取り組んでいます。一時ケガで離脱していた選手たちも長崎市長杯が終わってから戻ってきましたので、チーム状態は良いと思います。
そのうえで毎回、夏に仕上がるようにチーム作りをすることを心がけてきました。あまり早くピークを迎えても、高校生は維持することが難しい。ですので、心身ともに集大成の夏に発揮できるように練習をしてきました。今年も順調なので、やることを変えずに引き続き調整を続けたいと思います。
Q.夏の大会でのキープレーヤーを教えてください。
今年のチームは先輩たちの代から試合に出場していた経験者が多いです。それもあって例年以上に打線のつながりがあります。その中心になっている岩永秀正は、調子がいいです。体つき、表情ともに良い感じで来ており、一番成長していると思います。また、伊藤 功晟もここという勝負所でのバッティングを期待しています。
投手陣ではエース・山口潤、早川雄翔、そして中尾幸誠の3人。さらに180センチ以上の長身投手・簗脇祐太朗。1年生の寺田海弥が急成長していて夏は楽しみです。特に寺田は身長が183センチもあって、県外のチームからも声をかけられるくらいの選手です。
この5人が夏の大会では投げることになりそうなので、繋ぐところはしっかり継投しながら、守備にリズムを作ってほしいです。
Q.最後に夏の大会に向けての思いを教えてください。
長崎商の野球で、目の前の相手に一戦必勝の姿勢で挑みます。特に初戦は意識して、とにかく長崎商の野球を貫いて戦い続けた先に、甲子園が繋がればと思います。
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