打線はパワー不足、走塁ミスなど課題は満載

 夏勝つためには打線のレベルアップが不可欠だ。近畿大会では東洋大姫路相手に2得点、関東第一との親善試合では、2試合で5得点に終わった。従来の大阪桐蔭といえば、毎年本塁打を打てる打者を揃え、パワー野球で圧倒し、試合を優位に進めるのが流れだったが、近年の大阪桐蔭の打者はトップが浅く、スイングが小さいのが気になる。ある程度、コンタクトできるのだが、長打にできる感じがしない。新基準バットになって技術力、フィジカルの差が得点力に大きく現れるようになったが、6月前半での大阪桐蔭打線はややおとなしい感じがした。

 ただ、大阪桐蔭は5月〜6月にかけて強化練習をしており、状態が落ちているのは否めない。それでも、ハードヒットが打てて、その上で長打が増える打線になってほしい。

 打線の中心はミート力の高いショートストップ・宮本 楽久内野手(3年)、バットコントロールの良いセンター・畠中 健太外野手(3年)、打撃技術の高さはベンチ入りした左打者の中で最も高い内海 竣太外野手(2年)、190センチ105キロのスラッガー・吉野 颯真内野手(3年)の左打者4人。

吉野はこの中でも最もパワーはある選手で、新基準バットでなければスタンドインという当たりも見られる。求められるのは、大阪桐蔭の4番として、味方が苦しんでいる時でも打てる勝負強さだ。

 右打者では上田 真聖外野手(3年)の成長が著しい。ライトから強肩を披露し、パワフルなスイングで内野の間を抜く打球を連発する。左打者が多い今年の打線ではキーマンとして活躍しそうだ。

 気になるのは、走塁ミスが多いこと。関東第一との親善試合では、牽制で刺されたり、飛び出してアウトになるプレーが見られた。この点は西谷浩一監督も言及をしていたが、インプレー中はボールから見離さないところは夏までの課題だ。

 今年の大阪桐蔭が全国制覇するために必要なのは、劣勢になっても打線が援護して勝ち切る爆発力。そして1対0、2対1などロースコアでも勝ち切る守備力の高さ、冴えた戦略が問われる。野球脳の高さが問われる試合で、経験値の高さを発揮したい。

 この1年を振り返ると、滋賀学園、東洋大姫路相手に苦しい試合を強いられ、敗れてきた。その相手に勝ちきる試合運びができれば、今まで秘めていた潜在能力の高さを発揮し、想像以上のパフォーマンスを見せるのではないか。ここまで苦しんだ分、夏にピークに達することを期待したい。

<招待試合ベンチ入り選手>

1 中野 大虎投手(3年)

2 増田 湧太捕手(3年)

3 吉野 颯真内野手(3年)

4 桑元 信祐内野手(3年)

5 古門 翔太捕手(3年)

6 宮本 楽久内野手(3年)

7 藤田 拓志外野手(3年)

8 畠中 健太外野手(3年)

9 内海 竣太外野手(2年)

10 森 陽樹投手(3年)

11 佐井川 湧牙投手(3年)

12 本田 翔輝捕手(2年)

13 中西 佳虎外野手(2年)

14 吉岡 貫介投手(2年)

15 藤田 大翔捕手(2年)

16 須貝 蒼外野手(3年)

17 黒川 虎雅内野手(2年)

18 上田 真聖外野手(3年)

19 今城 翔馬内野手(3年)

20 髙橋 輝羽投手(3年)

21 小泉 凜太郎投手(2年)

22 西口 暁投手(3年)

23 大津 昴偉留内野手(2年)

24 今井 幹太朗投手(1年)

25 谷口 球児内野手(1年)

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