剛速球を投げたい投手必見!ポイントは股関節のねじり?!

ホームランはもちろんだが、投手であれば剛速球を投げることも求めるスキルだろう。

ひと昔と比較しても、150キロに迫る速球を記録する投手が数多く見られるようになった。確実にピッチャーのレベル、球速に対する需要が高まっている状況と言えるだろう。とはいえ、トレーニングを積み重ねれば、誰もが大台に到達するわけではない。成長具合は人それぞれであり、なかには球速が伸びずに苦しむケースもある。

専門家である古岡さんからすると、「まずは下半身、そして背筋、さらに握力が筋力的には必要です」と話す。

「私の経験もありますけど、下半身系が強い方が球速上がりますよね。やっぱり下半身の力を繋げて、球速を高めたいので、足を上げて1本足になったときに自身の体重を支えられる筋力、厳密に言えば体重の1.2倍前後、両足で2倍の筋力が欲しいですよね。
だって、今年から採用された2段モーションも、軸足に体重をキチンと乗せられるのが最大の利点ですよね。それができるから体重を生かしたピッチングができるので、球速が上がりやすいんですが、そこがふらついてしまって体重を乗せきれないとスピードが出しにくいということになります」

ただ、筋力だけを高めれば球速が上がっていくのか、と言われれば、そんなに簡単な問題ではない。そこには柔軟性という別のピースが必要となってくる。

「力が伝わらない、スピードが出ない選手は、柔軟性が乏しいことが多いんです。特に股関節は投げる際に開きますし、股関節を回さないといけないんです。その可動域が広い方が、下半身の力が上半身に伝わりやすいんですけど、これができないと下半身が使いにくい。結果、上半身だけのピッチングになります。そうすると、同じ球速を出そうにも、必要な力が変わるので、効率の良さが変わります。
また肩関節も柔軟性が欲しいですね。ここの柔軟性は、テイクバックを背中側へ引くことが出来るので、その分勢いを付けて腕を振れる。逆に硬ければテイクバックを引けないので、スピードが出にくい傾向があります。だから柔軟性はあったほうがいいです」

古岡さんが担当しているゼット測定では、21種目に渡る測定項目があり、その中1つにある股関節の柔軟性がある。足の開く角度をチェックするのはもちろんだが、体を前に倒し、地面との距離を測り、点数を付けることもやっている。これをすることで股関節がどれだけねじることができるのか。その柔軟性もチェックしているので、この結果を見ながら、投手への細かな指導に当たることが出来ているのだ。

こうした筋力、柔軟性といったフィジカルを磨く。そのうえでもう1つのピース・連動性という要素が噛み合うことで、「下半身、体幹、そして上半身の順番で力が伝わるので、投球動作に繋がる」と球速アップに繋がると古岡さんは話す。

連動性、柔軟性、そしてフィジカルの3つを組み合わせることで、剛速球を投げるというスキルに繋がる。いくつもの要素が噛み合わなければ実現しない難しい条件だが、フィジカルと柔軟性は日々積み重ねれば手に入るものだ。直接的にかかわっているからこそ、重点的に取り組んで、スキルアップにつなげていきたい。

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