<第156回九州地区高校野球大会鹿児島予選:神村学園7-4出水中央>◇4日◇準決勝◇平和リース球場

 神村学園と出水中央。いずれもここまで3試合を無失点。神村学園は2試合連続、出水中央は3試合連続コールド勝ちしており、どちらも前評判通りの力を発揮して危なげなく勝ち上がってきたチーム同士の好勝負が繰り広げられた。

 神村学園は2回裏二死二塁から7番・西原維吹(3年)の中前適時打で先制する。出水中央としては今大会初失点だった。

 3回裏、2番・入耒田 華月(3年)の右越え三塁打、4番・梶山侑孔(2年)の右前適時打で2点を加点する。

 出水中央は4回表に反撃。二死満塁から9番・長野凌平(3年)が三塁方向に意表を突くセーフティースクイズ。三走・岩崎正門主将(3年)に続いて二走・島村 勘太(3年)も生還。2点を返してなお一三塁の場面で1番・榎本瑛太(3年)が初球を右前に弾き返し、一気に同点に追いついた。神村学園も今大会初失点を喫した。

 中盤は出水中央の左腕エース・坂口楓(3年)、神村学園の2番手右腕・龍頭汰樹(2年)が好投し、両者勝ち越し点が奪えない。

 試合が大きく動いたのは7回だった。

 表の出水中央は二死から4番・浦崎寛大(3年)が左越え二塁打を放つ。神村学園はエース早瀬朔(3年)をマウンドへ。5番・岩崎主将は「これまで活躍できなかった分、チームに貢献したかった」と変化球をうまくとらえて中越え適時二塁打。今大会初めて、神村学園からリードを奪うチームとなった。

 更に畳みかけたかったが、二塁けん制アウトで生かせず。

 その裏、神村学園は一死から四球、エラーで一二塁とし、2番・入耒田がしぶとく右前に弾き返し、同点。3番・川﨑怜央(2年)の右方向の打球は右翼手のグローブに収まったかに思われたが落球。神村学園が2点を勝ち越した。8回にも9番・山口源造(2年)の中前適時打で3点差とした。

 早瀬は最速149キロ、常速140キロ台の直球で8、9回は1人の走者も出さず、終わってみれば神村学園の地力が勝った。

 「打線はだいぶつながるようになった」と出水中央・右田一彦監督。ただ勝ち越してからけん制アウト、2つのエラーとミスが続いたのが痛かった。「勝負どころの集中力が足りなかった。夏甲子園にいって日本一を達成するための課題」と岩崎主将は夏の雪辱を誓っていた。