八代東vs甲佐
“甲佐の右腕”
甲佐の右腕・藤本義輝。
全国的にまったくの無名ながら、その資質は県内のあちらこちらで噂が聞こえてくる。
エースで4番、そして主将―。
甲佐高校硬式野球部、部員の内訳は11人中、新3年生が2人、新2年生が9人。
藤本とセンターの中村謙士郎の新3年生2人がともに下級生の部員を引っ張っている。
先発した藤本は立ち上がりから制球に苦しんだ。
この試合の藤本が出した四死球11個のうち、1回~3回だけで9個とその荒れ具合は記録をみてもわかる。
しかし、ダイナミックなフォームから時折みせる低めから沈まないストレート。そして堂々たるマウンドさばきからは、その資質が垣間見える。
「(変化球主体の)序盤はコントロールが定まらなかったけど、終盤はストレート主体に切り替えてよくなってきた」(藤本)
打つ方でも、4番打者として初回の二死3塁の場面で投ゴロに終わるなどチャンスに打てず、終わってみれば4打数ノーヒット。
「夏までにしっかりと走り込んで、序盤から攻めていけるピッチングをしたい。打つ方でも大事なところで打てる打者に」(藤本)
夏に向け、一選手として、そしてチームのために甲佐の主将はブレることなく突き進むしかない。
(文=PNアストロ)