【仙台六大学】東北工業大の4年生捕手・須藤博紀が貴重な2点打!「3年秋で引退」を撤回し臨むラストイヤー
東北工業大・須藤博紀捕手
<仙台六大学野球春季リーグ:東北工業大6-3東北大>◇4日◇第4節1回戦◇東北福祉大
昨年は春秋ともに第3戦までもつれた東北工業大と東北大のカード。今春の初戦は東北工業大が6対3で勝利し、先手を取った。
東北工業大は敵失を絡めて2回までに4点を奪う。6回には7番・須藤 博紀捕手(4年=弘前工)の2点適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては先発のエース左腕・後藤 佑輔投手(4年=仙台育英)が5回7奪三振無失点と好投。その後は3投手のリレーで逃げ切った。東北大は7回途中から登板した野瀬 陸真投手(4年=春日部)が好救援で流れを呼び込むと、打線も7回に7番・大橋 周吾捕手(4年=八戸)が2点本塁打を放つなど終盤追い上げたが、逆転勝利はならなかった。
貴重な追加点をたたき出した須藤は先発の後藤を好リードし、攻守で勝利に貢献。「自分は打席で考えすぎてしまう癖がある。あえて開き直って打った結果、タイムリーになってよかった」。6回2死二、三塁の場面、思い切ってバットを振ったことが功を奏した。
須藤は当初、3年秋で野球を引退するつもりだった。「公務員志望なので、勉強をするための時間が欲しかった。そう考えると野球の方に熱が入らなくなってしまって、その状態のまま残るとチームに迷惑がかかると思った」。自らの立場を客観視した上で、意思を固めた。
しかし3年秋は出場機会が増え、周囲から「3年生で辞めるのはもったいない」「まだ続けた方がいい」などと声をかけられたこともあり、迷いが生じるようになった。
当初の予定から一転、勉強と両立しながら4年春まで野球を続けることに。決め手になったのは、チームのAクラス入りに貢献した「喜び」よりも、東北福祉大戦、仙台大戦で勝てなかった「悔しさ」だった。いずれもスタメンマスクをかぶった「2強」との4試合で、勝利に導くリードをできなかったことが心残りだったのだ。
覚悟を決めた正捕手は「今年は後悔しないように思い切りやって、福祉大、仙台大に勝ちたい」と力を込める。まずはこのカードで勝ち点を取り切り、再び「2強」に立ち向かう。
(取材=川浪康太郎)