試合レポート

【春季埼玉県大会】川越東が松山との接戦を制し初戦突破!

2024.04.27


【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

<春季埼玉県高校野球大会:川越東4-2松山>◇25日◇1回戦◇所沢航空公園

この日の気温は27度。まるで初夏のような所沢航空公園球場の第1試合は、川越東vs古豪・松山の一戦。

先発は川越東が前の試合の死球の影響が心配されたが「前の試合の死球後、地区予選後の栃木遠征へ行かせずにその後ブルペンで調整して本人からGOが出たので」(野中監督)と、前の試合同様にエース左腕・宮城 勇輔投手(3年)が登板。

一方の松山は「ぶっつけ本番のような形」(天野監督)と、背番号10の右腕・関塚 真ノ介投手(3年)が先発し試合が始まる。

先制したのは川越東であった。

初回、松山・関塚の立ち上がりを攻め、1死から山田 楓真(3年)が右前安打を放ち出塁すると、すぐさま二盗を決める。さらに2死後、4番・笹尾 拓海(3年)が右前安打を放ち2死一、三塁とチャンスを広げると、続く篠原 隆寛(3年)の三塁への打球が内野安打となり、まず1点、さらに6番・西澤 陸(3年)も右前適時打を放ち、幸先良く2点を先制する。

川越東は3回にも、この回先頭の笹尾が右前安打を放ち出塁すると、さらに右翼手がファンブルする間に二塁へと進む。

すると松山ベンチは早くも関塚を諦め、前の試合同様に水村 蔵ノ介投手(3年)が登板する。

川越東松山・水村の立ち上がりを攻め、捕逸で二走・笹尾が三塁へと進むと、続く篠原も死球で出塁し無死一、三塁とチャンスが広がる。ここで、6番・西澤がセーフティースクイズを決め3点目を奪う。

松山・水村は4回以降立ち直り、毎回のように走者を許しながら無得点で切り抜ける。

一方、川越東・宮城は、粘り強い松山打線を相手にしても、6回5安打無失点と安定した投球を披露する。

すると、川越東は7回、1死から6番・西澤が左前安打を放ち出塁すると、西澤はすぐさま二盗を決める。2死後、8番・下田 琉惺(2年)が左前適時打を放ち貴重な4点目を奪う。

4点差をつけた川越東は「大事をとってではなく、あくまで夏を踏まえて」(野中監督)と、その裏、宮城に無理をさせず、2番手・遠藤 芳晃投手(2年)へスイッチする。

一方、宮城が退き、俄然活気付いた松山打線は7回、この回先頭の長島 昊希(2年)が遊失で出ると、2死後、3番・赤川 陽優(2年)が右中間へ適時三塁打を放ち1点を返す。

そして松山は、最終回に見せ場を作る。

この回からマウンドに上がった川越東の3番手・長谷部 大河投手(3年)に対し、この回先頭の田中 優希(3年)が右前安打を放ち出塁すると、1死後、1番・志賀 柊汰(3年)も左前安打を放ち1死一、二塁とする。さらに続く水村が死球で出塁し1死満塁とチャンスを広げると、3番・赤川の内野ゴロの間にまず1点、さらに2死一、三塁で続く渡辺 大翔(2年)の打球はセンター後方の大飛球となる。

だが、この打球をセンターに好捕され万事休す。

結局、川越東が4対2と接戦を制し県大会初戦を突破した。

川越東は、この日も宮城が好投した。野中監督は「遠藤は昨秋、練習試合で結果を残していたが、その後、ケガもあり3週間前にBから這い上がった投手。オープン戦は良かったんですが打線はアテにならない。打ち合いにはしたくなかったんで我慢我慢。(1時間58分と)締まった良い試合。残塁を減らすこと。これから模試なんで」と、選手も監督も例年通り、ある種飄々としている。

夏のシードまであと1勝となったが、次の相手は大宮東と細田学園を破り勢いに乗る慶應志木だけに簡単には行かないであろう。ここからは打線の爆発は必須だ。特に旧チームのレギュラー2人に期待したい。

一方の松山の天野監督は「そんなに三振するような球はないと聞いていたんで、何とかなるかなと思っていたんですが、フライアウトが多くなってしまって。強く低い打球を意識させていたんですが、それでも上げちゃうので、それが夏までの課題。最後の打者も象徴的な打球であった。関塚は久しぶりだったので厳しかったかなと。エースの小山や渡辺らが夏には間に合うんですが、ケガ人だらけ。1年生にも投げられそうな子がいるので今後は野手も投手も横一線の競争です。鍛え直しです」と言う。

松山にとっては今大会とにかくケガ人が多かった誤算だらけの大会。その穴を十二分に埋めたのが吉田ツインズだ。敗れはしたがこの試合も2人で3安打を放つなどここまで来れたのは彼らの存在が大きい。

【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

この記事の執筆者: 南 英博

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