田村俊介(広島)が2打席連続弾!打席での雰囲気は「孤高の天才」にそっくり!?
愛工大名電時代の田村俊介
広島期待の若手大砲が、ついに本領を発揮した。14日に行われた日本ハムとのオープン戦。広島・田村 俊介外野手(愛工大名電出身)が、2打席連続アーチを放って見せた。プロ2年目の今季、キャンプから猛アピールし、侍ジャパン入りも果たした若武者が、ついにポテンシャルの高さを証明してみせた。
1発目を放った相手は伊藤 大海投手(駒大苫小牧出身)。日本ハムの開幕投手に決まっている右腕のスプリットを右翼席へ運んだ。2発目は支配下登録されたばかりの福島 蓮投手(八戸西出身)から、フォークをまたも右翼席へ運んで見せた。
開幕1軍はおろか、開幕スタメンまでも奪ってしまうのではないか。そんな期待を抱かせる打球でもあった。
構えたときの雰囲気は、元広島の「孤高の天才」こと、前田智徳氏に似ていると思っていたが、2発を放ったスイングを見ると、現巨人の阿部慎之助監督の現役時代を彷彿とさせる。下半身主導でスイングが始まり、上半身のひねりでバットがムチのようにしなり、飛距離がでる。そんなイメージがピッタリだった。
侍ジャパンの井端監督も、一振りで素質を見抜いたと言われている。それも分かる気がする。井端監督が「日本を代表する打者になる」という予感もしているようだが、将来性は無限大に感じる。
田村は2021年ドラフト4位で広島に入団した。高卒野手(捕手をのぞく)の「同期」では、阪神4位だった前川 右京外野手(智辯学園出身)がいる。前川も同じく今年のキャンプでは野手MVPの評価を受けてブレーク候補。ともに左打者で甲子園でも本塁打を放っているライバルが、時を同じくして台頭しようとしている。今オープン戦では本塁打がない前川との差を広げるように、田村は2本も放った。この2人は今後も「ライバル」として切磋琢磨していくのだろう。
高校時代は145キロ左腕でもあり、高校通算32本塁打の「二刀流」だった田村。愛工大名電1年時には練習試合ながら、当時星稜(石川)の奥川 恭伸投手(現・ヤクルト)に投げ勝ったこともある。甲子園では21年夏の初戦で、右中間へのド派手な1発を放っている。これは甲子園通算1700号という節目でもあった。
「持ってる男」田村がエスコンフィールドで2度、ダイヤモンドを一周したことを、誰よりも喜んでいたのは、ベンチの新井貴浩監督だったかもしれない。
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