阪神2年目・戸井が二軍で大暴れ! 天理主将として「感動の輪」を作った男が、一軍デビューへ準備万端!
天理時代の戸井零士
13日の阪神ーソフトバンクの2軍戦。阪神の「9番・三塁手」でスタメン出場の戸井 零士内野手(天理出身)が、5打数4安打5打点の大暴れを見せた。6回の第3打席には、今年の対外試合初アーチとなる左翼越え3ランを放った。2022年ドラフト5位の2年目内野手。いよいよ本領発揮かと期待してしまう。
2月からスタートした練習試合すべてでスタメン出場してきた戸井が、ここ4試合連続安打と急激に調子を上げてきている。その打撃結果は以下の通り。
2月16日 中日戦(9番・二塁)3打数無安打
18日 エナジック戦(8番・二塁)3打数1安打(左2)
22日 中日戦(8番・三塁)3打数無安打
25日 ハンファ戦(6番・一塁)4打数2安打3打点(左2、左2)
3月2日 広島戦(8番・一塁)4打数無安打
3日 広島戦(8番・三塁)4打数2安打(左2、左安)
6日 ソフトバンク戦(7番・三塁)3打数1安打(中安)
8日 中日戦(7番・遊撃)2打数無安打
9日 中日戦(7番・二塁)4打数2安打1打点(左安、右3)
10日 中日戦(8番・遊撃)3打数1安打(左安)
12日 ソフトバンク戦(8番・三塁)4打数1安打2打点(左安)
13日 ソフトバンク戦(9番・三塁)5打数4安打5打点(左安、左本、左安、右2)
42打数14安打、打率は.333。アベレージもさることながら、特筆すべきは安打の内容で、14安打中、半分の7本が二塁打以上の長打となっている。プロ1年目にパワー不足を痛感し、2年目の今年は体重を増やし、ウエートトレーニングで体格もレベルアップさせキャンプに入っていた。和田2軍監督も、その成長を認めているという。プロの体に成長を遂げ、打球もパワーアップしたことを証明してみせた。
戸井といえば、思い出すのは、主将だった天理高校3年の夏。奈良大会決勝で生駒相手に21対0と大量リードし、あとアウト1つ取れば甲子園が決まるときに、ナインをマウンドに集めて、勝利後にみんなで集まって喜ぶのを控えよう、と提案した。相手の生駒はコロナ感染の影響で主力メンバーが試合に出られないなかでの試合。相手を気遣う戸井の提案にナインは賛同し、勝利の直後は喜ぶこともなく整列に加わった。
のちに、天理と生駒は9月に練習試合を行う。当時、試合に出られなかった生駒の3年生も含めて、真剣勝負を行った。最後は天理が勝利するが、今度は天理メンバーがグラウンドで歓喜の輪を作ると、生駒ナインもそれに加わって両軍ベンチ全員が入り交じっての「感動の輪」ができた。あの光景は忘れられない。戸井はそのドラマのなかにいた。
15日からは、1軍より先に2軍のウエスタン・リーグが開幕する。リーグ開幕前の最後の試合で、戸井は4安打1本塁打の活躍を見せ、最高の状態で本番に突入することができた。今は阪神の2軍の主力だが、いつ1軍から招集がかかってもいいように、この絶好調の状態を続けていってほしい。
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