主砲・モイセエフも「理想のキャプテン」と信頼度100%! 鈴木貫太(豊川)は甲子園でも守備で魅せる!
鈴木 貫太(豊川)
10年ぶりにセンバツに出場する豊川(愛知)。昨秋は東邦、宇治山田商、愛工大名電、高知など強豪校を破って、東海大会優勝、神宮大会ベスト4まで勝ち上がった。勢いづいたら止められない打線や、14試合で41盗塁を記録した機動力も魅力である。
打撃の要はドラフト候補・モイセエフ・ニキータ外野手(2年)だが、守備の要は、主将・鈴木 貫太内野手(2年)だ。遊撃を務める鈴木はフットワークが軽快で、しっかりと両足を動かして、打球を裁いていく。昨秋の神宮大会でも好守備を見せ、スタンドを沸かせていた。
マネージャーだった姉の薦めで豊川へ
鈴木が豊川を志望するようになったのは野球部のマネージャーだった姉の存在がある。中学校時代は豊川のグラウンドを訪れたこともあり、長谷川 裕記監督からもマネージャーの弟という認識でかわいがってもらっていた。
姉からは豊川の良さを聞いていた。
「自分は『地元でもある東三河地区の強豪校に進学して、そこから甲子園に出場したい』という目標がありました。
姉から豊川の話をいろいろ聞いていました。やはり設備が素晴らしいですし、寮がグラウンドに近いので、夜になっても練習ができる点がいいと思いました。また練習の雰囲気も含めて、自分に合っていると思ったので、決めました」
鈴木は1年生からベンチ入り。打撃面では高校のレベルに戸惑い、苦労したようだが、「守備についてはずっと自信があったので、高校に入ってもこなすことができました」と胸を張る。その背景としては岡崎葵ボーイズ時代から取り組んできた捕球練習が大きいという。
「今日(取材日)でやっていた捕球練習に近いメニューを中学時代からずっとやってきて、そこで守備の基礎ができたかなと思っています」
実際、鈴木が捕球練習に入ると、コーチから「お手本にするように」と指示が飛ぶ。部員たちは、鈴木の捕球動作を食い入るように凝視するのだった。
昨夏は2番ショートとしてスタメン出場するも、愛知県大会準々決勝で敗退。レギュラーはモイセエフと鈴木のみという戦力が大きく入れ替わった新チームで、主将に抜擢される。
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